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□ダイキライ、ダイスキ
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翌朝。
先に起床したのは獄寺。
すやすやと眠る綱吉を愛しそうに眺め、優しく揺すってやる。
しばらく待つと、眠そうに開く琥珀の瞳が見れた。
「んぅ〜…おはよう、ごくでらくん…」
「おはようございます。今日も良い天気ですよ♪」
「そっかぁ…あ、あふ……」
ゆっくりと起き上がって、口を押さえて大きくあくびをする綱吉も、大変可愛らしい。

「あ、着替えられますよね?オレ、洗面所お借りします」
「いいよ?ここに居ても」
「え?」
「え?」
何を言ったか言われたか、理解するのに時間を要した。
先に顔を赤くしたのは獄寺だ。
「え、いえ、でもっ…一緒にお風呂入らせていただいたとはいえ、さすがにそれは申し訳ないですよ!」
慌てて制服を取る獄寺に降って来た言葉は、これまた予想外のものだった。
「そんなのいいの!気にしないで!」
そこまで言って、固まる綱吉。
「…………あ、れ?」
「じゅ、じゅ、10代目ぇぇ?!」
パニックに陥る獄寺を、「とにかく、ここで着替えていいから!」と言いながら、
綱吉は彼を部屋の外へと追い出した。

何かが、矛盾している。



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