本棚

□未来の子供
2ページ/3ページ

 空の色が青からオレンジに変わり始めると、山本は勉強道具を終い「そろそろ帰るなぁ」と言ってツナの家を後にした。そして、続くように獄寺も「俺も帰ります」と荷物を詰め始めた所をツナが止めた。
「10代目?」
「獄寺君、さっきの続き聞かせて?」
「続き……と言いますと?」
「子供……欲しいの?欲しくないの?」
 先までその話題で山本と楽しく話していたツナは、今ではとても真剣な顔で獄寺を見ていた。
「10代目、その話は先ほど山本と話して終わったのでは……」
「終わってないよ!俺、まだ君から答えを聞いていないから!」
 ツナは少し怒るように言うと、獄寺は少し困ったような顔でツナを見た。
「なんで……なんでそんな顔をするの?」
「すみません。俺、その質問には答えられません」
「どうして?」
「そんな簡単に子供がいるとかいらないとか、俺考えたくないんで…」
「なんっ……!」
(あ、そうか…獄寺君。昔の事を…)
ツナは以前、リボーンから聞いた獄寺の過去を聞いてとても心を痛めた。ツナの家には家光が毎日のように不在だったが、奈々は常に自分の傍にいてくれた。しかし、獄寺は違った。自分とは違い、愛のない環境で育てられた為、この話はとても辛いんだろうとツナは思い、これ以上深く関わる事を止めようと口を閉じた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ