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□Gravidanza?
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 綱吉の月経が遅れている。
 その話に、いつの間にか山本も加わっていた。
「んー…あとは…あぁ、沢田、あれは?過剰なダイエット」
「それは……オレ、胸がこれ以上無くなると困るから…してない」
 切なくなるほどの膨らみしかない胸を思いながら溜息をつく綱吉に、京子は笑って言う。
「ツナ君は痩せなくても可愛いよ♪」
「胸はもっとあった方がいいとは思うけどね、私は」
「黒川、オレを泣かせたいの?!」
 話が反れ、違う意味で悲しくなる綱吉を見て、山本は衝撃的な言葉を口にする。

「もしくは、子供がいるとかな♪」

「はっ?!」
「なくもないわね。どうなの?」
「ちょっ…待って…何、黒川、知ってんの?」
「知ってるっていうか…雰囲気?」
 不器用なりに隠していたつもりなのに、こうもあっさり見破られると本当に切ない。綱吉は大きな溜息をついて机に突っ伏した。
「で?どうなんだよ、そんな感じはしねぇ?」
「そう言われても……毎回、その…一応着けてるし…」
「でも、確率100%じゃないのは、わかってるでしょ?」
「わ、わかってるよ…わかってるけどさ…」
 先月……いつものように優しく抱かれた。胸の内で反芻し顔を赤くしながら、原因はそれか?とまた考える。偶然にしては出来すぎているが……。
「もし、そうだったら……」
「そりゃー、やっぱ獄寺に」
「オレがどうした?」
 綱吉が盛大に顔を上げて見た先には、美しい銀髪を携えた恋人が立っていた。

 
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