オリジナル

□ありふれた片想いの話
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私はご主人様に買われました。
以来、私はご主人様のお側に置かせて…もらえれば良かったのですけれど。

実際は夜、お布団の中でだけお側にいることを許されています。
それ以外はずっと布団の上で、一人きりであの方の帰りを待つだけが、私の生活のすべてです。

あの子は毎日ご主人様と一緒に出掛けていますが、私が同じ様に…だなんて考えることはおこがましいですよね。

毎晩側にいることを許されている。
毎晩触れていただける。
それだけで十分幸せだ
そう、言い聞かせては何時にあの方は帰ってこられるだろうかと時計を眺めるけれど、針が指差すのは昼過ぎ。
まだまだ帰りの時刻ではないと気付かされるのです。
 

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