短編
□緑間くんの誕生日。
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「お帰りなさいませ、御主人様♪」
「…」
家に帰ると、何故か或斗がいた。
メイド服を着ていた或斗に思わず、ドン引きしたのだよ。
手に持っていた鞄が落ちた。
「…家を間違えたのだよ」
「ちょっ、間違ってないし!!」
家から出ていこうとするオレの腕を掴む或斗。
「なんなのだよ、その服。」
「黄瀬から貰ったのよ…
アイツ、モデルでしょ?」
溜め息を吐く或斗。
「真ちゃん誕生日でしょ?
…だから、その…」
或斗は言葉を濁した。
「その、おめでと。」
ぶっきらぼうに呟く。
顔が真っ赤だ。
フッと鼻で笑うと、オレは或斗の頭に手を置いた。
「似合ってなくもなくもなくもないのだよ。」
「ど、どっちよ…」
「可愛いってことなのだよ。」
オレは触れるだけのキスをした。
「ありがとう、或斗。」