短編
□それでも貴方は、
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「ヤバイ、凄いクセになる。」
「…離してくれないか、或斗。」
そう言って私を自分の体から離す赤司。
「…汗だくで汚い。」
「汚くないよ。赤司はいつだって綺麗だよ。」
触れるだけのキスをする。
左右の違う色をした瞳が少しだけ細まる。
口元には優しい笑みを浮かべて。
「…ギュッてしたら、ダメ?」
「…」
赤司はフッ、と呆れたように笑いながら両手を広げてきた。
許可してくれた。
私は赤司に飛び付く。
「んー…赤司はやっぱり良いにおい…」
「…汗のにおいが好きって、或斗は変態だよね。」
赤司の言葉も気にせず、首あたりに顔を埋めて赤司を堪能する。
別に汗のにおいが好きなわけじゃない。
赤司のにおいが好きなのだ。
鼻腔を擽る、体が反応をする。
赤司を求める。
それはまるで、
「媚薬…」
その言葉がピッタリだと思う。
「赤司、愛してる。」
「僕もだ。」
私はどうしようも無いくらいに変態だ。
だけど、それでも貴方は変態な私を愛してくれるのでしょう?
。