BLEACH

□第2章
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隊長、副隊長に着いて行くと
そこには死神全員が集まってるんじゃないかと思うくらいの死神がいた。




空は雲の重みに耐え切れなくなったかのように雨が激しく降り始めていた




ここは双極の丘・・・――





死神のほぼ全員はある一点を見つめ斬魄刀に手をかけていた

処刑台を見上げながら





つられて空も処刑台を見ると処刑台の上に誰かが立っているように見えた
だがあまりにも遠く、暗い為はっきりとは見えなかった



誰も何も発さず、ただ雨の音だけが聞こえる空間
その空間を破ったのは総隊長だった




「お主は何物じゃ」




その言葉を聞いた瞬間、処刑台の上にいた男は一瞬にして総隊長の目の前に現れた。


あまりの速さに誰もが何が起こったかは分かっておらず、判断の早い隊長、副隊長が斬魄刀を男に向けていた



近くに来て初めて分かった
その男は全身黒いコートに覆われており、フードを被っていた
顔までは見えなかったが、その場の緊迫感は高まるばかりである





「はーじめまして、総隊長さん♪」



雨の音が鳴り響く中、フードの男が軽快な口調でその沈黙を破った



「お主は何物じゃと聞いておる、我等に害を成す者ならば即抹殺するぞ」

霊圧を上げ、声を更に低くし有無を言わさない口調で総隊長は杖をきつく握った



「いやっ、今日は戦いに来たわけじゃないんで!本当ですよー!・・・・・・今日は挨拶に・・・来たんです」


怪しい笑みを浮かべながらそう発したフードの男は総隊長から視線を外し、周りをきょろきょろし始めた
まるで何かを探すかのように



「えーっと・・・確かにここにいるはずなんだけどなあ・・・あいつは目立つからすぐに見つかるはず・・・・・・!っ」


ぶつぶつと独り言を言いながら周りをきょろきょろしていたが、ある人物を見つけた瞬間、笑顔になった






みーつけた とつぶやきながら真っ直ぐ目的の人物の目の前まで歩いていく
その顔は笑顔を絶やさずに



そして目的の人物、玉海空の前で止まった




周りの死神が少し驚いた表情を浮かべているとフードの男がますます笑顔になった


空はフードの男が自分の目の前に来たとき、今まで誰にも見せたことがない、怖い顔になっていた
いつものふざけている、優しい空からは想像できないほどの




「お前大きくなったなー、もう少しで俺身長抜かされるじゃん」

その言葉にその場にいた全員が困惑した
まるで昔の空を知っているかのような発言だったからだ


「そんな怖い顔すんなよ、俺はお前の笑顔が好きだぜ?」

そうフードの男はいい、空の頬を撫でた



すると空はその手を払いのけ、そのフードの男を睨んだ




「怖いなーもう!笑えって言ったじゃん!あれ、もしかして俺の事忘れた?」


「・・・お前の事を何度も忘れようとしたよ、でもお前の事だけは忘れられない」


初めて空が言葉を発した
だがその声はいつもの空とはかけ離れた暗く冷たい声だった



「やっぱり覚えてるよな!じゃ、ここらでここにいる皆さんに俺の事自己紹介する・・「やめろ」


フードの男が言い終わる前に空が言葉をさえぎった

一瞬フードの男はきょとんとしたが、口角をにやりと上げ、空から距離をとった



「みなさーん!俺の正体はそこにいる・・・「やめろって言ってるだろがあああああああ!」


空が声を荒げた
その空の表情は憎しみのこもった顔と、なぜか泣きそうな顔になっていた



フードの男は一瞬にして空の後ろに回りこみ、空の首に腕を巻きつけた


「どんだけお前が否定しても、俺とお前の関係は変わらないの♪」


そして、ボソっと空の耳元で何かを言った


その言葉を聞いた瞬間空は下を向き、震えていた・・・いや、泣いていた




「じゃ、改めまして。みなさん俺はこいつ、玉海空の兄貴の玉海悠っていいまーす!以後お見知りおきを」



そう言い、悠(ユウ)はフードを外した
そのフードの下の顔は空とは違う綺麗な青色の目、そして綺麗な赤色の髪の毛だった



そして悠は一瞬にしてその場から消えた




空は急に悠がいなくなったのでバランスを崩し座り込み、泣いていた






雨はますますひどくなり、まるでこれからを表しているかのように天気は荒れていった。








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