暁の夢

□01 嘘つき少女
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(嘘つき!)
(騙しやがって)
(嘘の情報ながしやがって!!)




体中に鈍く重い痛みが走る。
体がきしむような、骨を砕くような音がする。
苦しい...私は嘘つきじゃない...




(この嘘つき少女)








ーーー









昔の夢を見た気がする。
目を開けると眩しい光に視界がくらむ。





「ちょっと!また木の上で寝てるわけ!?起こすの大変なんだけど!」





プンスカと腰に手をあてて下から見上げてくるユン。
寝起きの悪い私を起こすのがユンの日課。





「えへへー!つい森の中で暮らしてたころの癖でっ...よっと」





自分より一回り以上大きい枝から、
華麗に地面に着地する。





「ユンちゃんおはよぉぉ♡」
「わぁあ!//いつも抱きつかないでって言ってるでしょ!?
ちょ、ちょっと、めんどくさ!!」





真っ赤な顔でジタバタとするユンを抑えてはシンアloveぎゅーっとした。






「温めれば起きるのかな「こないで!!」ゲフ」





あきらかに危険な言葉をいいながら手を伸ばしてくるジェハにジェハloveがアッパーを食らわした。




「ふふっ賑やかね」
「うるさいだけでしょう」






するとヨナ姫とハクも起きてきた。




「姫様!今日もご機嫌麗しゅう」
「白蛇様は今日も能天気っと」
「なんだと!?」
「白龍怒らない怒らないっゼノがにっこりにしてあげるー!」








爪をたてたキジャをゼノがなだめる。






「ユンきゅんおはよぉのちゅぅ!「うわぁぁああぁ!!?//」」
「ひゅー今日も熱いねぇ」
「雷獣見てないで助けてよ!」
「ハクはヨナちゃんから離れたくないんだよ...よっと」





ハクのパンチを交わしてついでにユンからも離れる。





「シンアもおはよー!」
「...コクッ」
「アオもおはよー今日もかわいいねぇ♡」
「ぷきゅー」
「おはよーっ」
「かわいいっ」





3人の女の子に囲まれるアオ。
一番もてるのはアオラシイ。









ーーー







「あぁ、」
「どうしたの?ユン」






片付けをしていると鞄をみながらユンがため息をもらした。







「食料があと少しでなくなっちゃう。
近くの村によって調達しないと」
「あら、大変。ハクこの近くにいい村はある?」
「そっすねー、この近くで役人がこないっていったら」
「ん、何何ー?」







地図を広げるハク。
それをのぞき込むユンとシンアlove。







「ここっすね」
「なるほど、クラン村ね。そこならここから距離もないしちょうどいいかも。て、どうしたの?シンアlove」






さっきから口を開かないリムに不信に思った二人はシンアloveをみる。





「え、あ、ううん!なんでもない!
いやぁ今日の夜は冷えそーだねー」






そう言ってシンアloveはみんなが集まるところへといってしまった。






「...何?あれ」
「さぁ?...」







「ゼノー今日の夜は冷えるっぽいよ!」
「それならおしあいっこしないとね!ぼーーーーん!」
「ぬわーーー!」






最初に被害にあったのはキジャ。
黄龍だるまに突撃されて、見事に後ろにのけぞった。






「なにをす「ぼーーん!」のあー!」




続いてシンアloveが体当たりをした。




「受けてたーーーつ!」
「なになに楽しそーっ」
「ジェハloveちゃんも一緒にやろ!」







今度は二人してキジャに突撃した。
そしてキジャがゼノに突撃して、今度はゼノがシンアにぼーーんとあたりにいった。






「シンアもぼーんてやろ!」
「......ダッ(駆け出し」





「ちょっと!そこの珍獣共とその世話係騒ぎすぎ!!」





にぎやかな中、一番騒ぐをシンアlove意味ありげな目でジェハは見つめていた。











ーーー












クラン村にいくのは明日となり、
少しいった森の中で一泊することになった。
夕食後、予想通り寒くなった夜に
体を冷やさぬように焚き火の前で
みんなで体を温めていると







「うぅ、寒いわね」
「姫様!大丈夫ですか!?」
「白蛇様は寒くて鼻水垂らさないようにしてくださいね」
「なんだと!?」
「じゃあ僕たちは大人の温めあいをしようか」
「お断りします。」







「...お湯...」




にぎなかな会話をしていると、
シンアが口を開いた。






「どうしたの?シンア」



ヨナが聞くとシンアが喋り出した。







「近くに...お湯の溜まり場が...ある」






「お湯?なにかしら」
「さあ?俺にはさっぱり」
「私にも...わかりません」
「お湯の溜まり場...ねぇ」





それぞれクビを傾げていると、




「確かに...近くで水の音がする」




耳に手をあててながらがシンアloveいった。







「ゼノわかった!!きっとそれは天然の温泉だよ!」






ラッキーな発掘により一同は
温泉に入ることになった。





「ユンくーん!一緒に温泉にはいろー!」
「はぁ!?//おかしいでしょその言葉!」
「どっかおかしい?(コテン首傾げ」
「おかしすぎるでしょ!」






真っ赤になって抗議するユン。




「ユン君、一緒に入浴して犯しすぎ
t「ぼーーーん」ボキャン」
「ハク...痛いよ?」
「確信犯なんで安心してくだせー」
「不愉快すぎ。」






ーーー









「あぁ、お風呂なんていつぶりかしら」





ヨナ、シンアlove、ジェハloveはおもいおもいに羽根を伸ばしていた。






「気持ちいいーっ」
「生き返るわねぇ」
「はぁあ」






シンアloveは肩上までつかってそっとため息をついた。






「さてとっ女の子たちで温泉に入ってすることといえば!ボディーチェック☆」







なにかしらのスイッチが入ったのかジェハloveはテンション高くいった。
しかし、一番そういうのが好きそうなシンアloveは元気がない。






「ジェハloveってスタイルいいのねぇ
大人のボディーって感じ!」
「ヨナちゃんは、発展途上で
将来性のある体してるわ!」
「嬉しい!私、よくハクに色気がないって言われるけど...見返してやるわ!」







きゃっきゃっとはしゃぐ二人。





シンアlove「は胸が大きいわよね」
「でるところはでてるわね」
「......え、なに?」






ぼーっとしていて話の内容がわからないシンアlove。






「どうしたの?シンアlove、あなた今日なんか変よ?」
「調子でも悪いの?」
「大丈夫!ちょっとのぼせちゃったみたい...先に上がってるね!」









そういって湯船から上がっていったシンアlove。
しかし、その時二人は見てしまったのだ、シンアloveの背中の痛々しい傷跡を...












ーーー









「姫様たちは大丈夫だろうか...」
「白蛇の過保護は健在っ」
「貴様に言われたくはないわ!」





くわっと爪をたてるキジャ





「ねぇ、シンア君。
君って透視ができるんだよねっ」
「コクッ」
「ちょっとあっちの方透視してみてくれない?」
「...フルフル(首振り」
「ちょっとだけでいいから!」
「フルフルフル(首振り」






お願い!と手を合わせながらいう
ジェハに必死で首をふるシンア。






するとそこに入浴をおえたがシンアlove戻ってきた。



「なんだぁ、シンアloveちゃん戻ってき
ちゃったの?」



残念そうに肩を下げるジェハ




「シンア...」
「......?(首傾げ」
「...寝よ?」
「「!!?」」





ジェハとユンの頭上に雷が落ちた。
もちろん前者の人は違う意味で。






「......寝るって、寝るにはまだ早いんじゃ...」
「もう寝るの。」
「で、でもいつもシンアloveはヨナや僕らと寝て...」
「...ごめん...。今夜は、シンアと二人がいいの...」





ポカーンと眺めているシンア。
シンアをみてシンアloveは聞いた。





「...だめ?」
「.................................だめ.........
じゃ............なぃ......。」




(((ええ!!?)))



ジェハとユンとハクの心の声。
ゼノはにっこりとして、
キジャはなにか理解できずポカーンとしていた。









ーーー












...怖い、でも言えない。
不安、孤独...

そんな感情がぐるぐるしていると
ふと浮かんだのが、彼の顔。
彼の隣はホッとして、とても温かい。

だから、今夜だけはどうしても
隣にいて欲しかった。
じゃないと、この夜の闇にのまれて
しまいそうだったから...













お風呂を済ませていなかったシンア。
シンアloveが先に寝て待っているためハクたちよりも先に入浴を済ませた。
もちろんアオと一緒に。




みんなの寝る場所にある天幕の少し離れたところでシンアloveはブランケットにくるまって寝ていた。



ちょうどみんなの寝るところからは、見えない位置にある。





ザッザッっとシンアの足音だけが
響きそっとシンアloveの横まできて座る。


するとすっぽりと顔をだしたシンアlove。


ぽんぽんとここに寝転んでいいよ、と隣の地面を叩くとそこにシンアは
寝転んだ。






...ギュ




「.........。」
「っ.........(あわあわ......。」






隣に寝転ぶなりがっしりと首元に抱きつかれて、オロオロとするシンア。
しかし解決法が見つからず、停止。






「......シンアlove?」
「......面外して?」
「...え?」
「...面っ、私にはシンアの力はきかないし、ここはみんなから四角になってるからとっても大丈夫だよっ」






しばらく考えたあと、シンアは
そっと面を外した。
そして自然と二人の目があった。





「...やっぱり、シンアは綺麗。」





ふわっと微笑んでシンアの両頬に触れる。
はじめてシンアの瞳を見た時を思い出す。あのくらい洞窟の中でも、
シンアの瞳は静かに輝いていた。
あの時も綺麗って言ったっけ...







「シンアを見てると、心が軽くなる...」





最後の言葉が悲しげに掠れていて、
心配になり、そっとシンアはシンアloveの名を呼んだ。




しかし、もう彼女は寝息をたてて
静かに眠りについていた。




「..........シンアlove..。





...守るから...。」





そっと彼女の髪をひと撫でしてから
シンアも目を閉じた。










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