暁の夢

□11 記憶の欠片
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「...それから、ヨナ達が現れて...、
そのときにシンアloveにあった。
シンアloveはオレの目を見て言った。
"綺麗"って、それでわかったんだ...
シンアloveが女の子だって...」

「ユンとシンアの元に行って、去る時、シンアloveがいなかったのはそれだったのね」



シンアが話を終えると、
みんなはやっと口を開いた。




「...そなた達はつらい経験をしていたのだな」
「なんだか、ちょっと悲しいお話ね」
「僕もちょっと涙腺が」
「青龍偉かったね(ポムポム」





慣れない長説にホッ胸をなで下ろす
シンア。


すると、天幕でぐっすり
眠ったシンアloveが起きてきた。
日はすっかり傾いていた。




「ふわぁっ、あれ
みんなお揃いで何話してるの?」
「なななんでもないのよシンアlove!」
「そーよ!なんでもないの!」
「さてと、夕御飯の支度しないとっ」




両手をふって誤魔化すシンアloveと
スウ。
他のみんなもそれぞれちっていき、
ユンは夕御飯の支度に取り掛かった。



シンアloveは首を傾げながら、
その場に残った
シンアの元に歩み寄る。




「どうしたんだろうね?
みんなっ」
「...さぁ」





そして、シンアloveはシンアのとなりに
腰をかけると口を開いた。





「あのさっ少し前に私がシンアに
聞いたこと…」
「…?」
「私が昔虐待されてたことと、クラン村の村長が言ってたこと、あのことなんだけどねっ
あの後いろいろ考えたの。
実は、私昔何日か監禁状態にされたことがあるの
っていっても、その時の記憶は欠落してて何があったのか思い出せないんだけど…
その記憶がなんなのかはわからない、でもとても大事な事も一緒に忘れてる気がするの、
それで、...最近、少し欠片くらいのものが浮かんでくるの」
「…欠片?」
「うんっ、これ…」




そして彼女はそっとシンアの
ふさふさした白い毛にふれた。



「これを見てると、とても大事な
人の面影を見るの…」
「……」
「これ…先代の姿を真似てつけてるんだよね?」
「...うん」
「…それで、アオ…プキューの名前は先代の名前なんだっけ?」
「…うん」
「…私、その先代のアオって人と、
会っt.....っい」
「シンアloveっ」





急に頭に刺激が走り額を抑える。
シンアが慌てて支えると、
それにきづいたユンが駆けつけてきた。





「どうしたの!?」
「...わか…なぃ…、急に頭が痛くなって…」
「...もう少し安静にしとこ、
天幕に戻って休んでて。
夕飯になったら呼ぶから」
「ぅん、…わかった、」





ふらりと立ち上がったシンアloveを天幕まで送ろうとしたユンに大丈夫だと静止して、彼女は天幕へと入っていった。





「…で、何があったの?シンア」





シンアloveがいなくなったあと、ユンは
腰に手をあてて状況を問いた。




「…シンアloveが、昔のことを思い出そうとして…そうしたら急に頭を抱えて、」
「昔のことって、さっきいってたシンアとの?」
「(コクッ」
「なるほどね、多分シンアloveが昔のことを思い出すってことは、その監禁された時の記憶も一緒に思い出すっことでしょ?だから、それを直感的に体が拒んで頭痛がおきたんじゃないかな」




なるほど、とシンアは頷く。




「まぁ、そのクラン村とは少しずつだけどわだかまりはなくなったんだし、そのうち自然と思い出してくるんじゃないかな?
だから、無理に思い出そうとして
拒否反応を起こさないようにシンアがしっかり見守っといてよねっ」
「うんっ」






よしっといってユンは夕飯の支度へと戻っていった。




「シンアlove…オレは、





君を守るよ」






アオとの約束だから。
オレの望むこと。
シンアはきゅっと自身の拳を握り締めた。


















がやがやと仲間たちの握やかな声が聞こえる天幕のなか、寝返りをうつ。




「アオ…」





なにか、その人と大切な…
約束をした。





私の記憶の欠片…、



はやく、思い出したいっ。










ーー

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