暁の夢

□12 四龍天女の想い人
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ユンたち一行は、旅を続けて
人気のない林や森付近を歩いていた。



そんな中、とある崖道を
歩いていると...



「あれ?どうしたのジェハloveちゃん」



ふと崖下の大きな川をみて立ち止まったジェハloveをみて、後ろを歩いていたシンアloveが声をかけた。



「え?あ、なんでもないのよ。
ただ、少し昔のことを思い出して…」
「?」



さっ早く行かないとおいていかれるわよっ、といって彼女は歩き出す。
シンアloveは首を傾げつつもその後ろをついていった。





「どう?2人とも周りに人はいた?」
「…ううんっ聞こえなかった!」
「...(ふるふる」




シンアも首を横にふる。




「遠視能力に天耳通いいなぁ」
「おお!お役にたっているぞ!シンアにシンアlove!よかったな!」
「えへへっ」
「(コクッ」




二人の能力をつかって着々と崖を
のぼり、ある高さまでくると
そこそこの大きさの洞窟をみつけた。
日も暮れてきたことなので、今日はここで晩を過ごすことになった。





「あれ?シンアloveは?」
「あいつならさっき洞窟でてったぞ」
「こらハク、シンアloveのことをお前呼ばわりしないのっ」
「ハクってばヨナちゃんに乙女心教わっちゃって、まだまだだね」
「るせぇ、そういうてめぇはジェハloveに毎度のことながら殴られてんじゃねぇか」
「それは照れ隠し「ち、ちがうわよ!!」」
「はいはいなんでもいいけど
晩御飯だよ。
シンア、シンアloveのこと呼んできて」







ポンポンと手を鳴らして
晩御飯を知らせるユン。
頼まれごとをしたシンアは、
洞窟をでてシンアloveのいるところへと向かった。







ーー






洞窟から少し出た先の崖っぷちで
下の大きな川を眺めているひとつの影。

探していた彼女をみつけて
シンアはそっと名前をよんだ。
するとこちらに気がつき
振り向く。





「シンア…」
「...ユンがご飯だって…」
「そっか、すぐ行くねっ」






にこりと笑いつつもその笑顔には少し曇がある。
最近過去の記憶について
悩んでいるようだった。
そして何より、シンアへの想い
彼との関係や過去について
思い悩んでいた。




「......あとで...シンアloveに、見せたいモノがある」
「?見せたいモノ?」
「(コクッ」





するとシンアloveはわかったといって
頷いた。









ーー






夕食後、ユンが片付けをして
ヨナとハクは鍛錬に、ゼノは散歩に
他は思い思いに羽根をのばしていた。


焚き火のそばで本を読むジェハと
そのとなりで火で温まるジェハlove。
そのそばをシンアとシンアloveが
通って行くのを見て声をかけた。





「あら、2人ともどこかいくの?」
「うんっシンアにちょっとお呼ばれして」
「ふーん。こんな夜に二人きりで
…シンア君もすみにおけないねぇっ」




ニヤニヤと冷やかしの視線をおくる
ジェハ、それに対しおどおどとするシンア。
見かねたシンアloveが助け舟をだして
なんとか誤解を解いた。


ジェハloveの気をつけるようにと言う言葉に返事をすると二人は洞窟をあとにした。






洞窟をでるなりシンアは
シンアloveの両手をとりそれで彼女の
顔をそっとおおった。




「え?」
「少し…このままでいて」





するとシンアはひょいと彼女を
抱きかかえると身軽にどこかへと
走りだした。


なにがなんだかわからないなか、
とりあえず全身を彼に預けた。












しばらくして走るのをやめて、
そっとシンアloveをおろした。
地に足をつくとふさっとした感触が
くすぐった。
どうやら下は草原らしい。






「...もう、手外していい」





そう言われてそっと手を
下ろすと視界に広がったのは
神秘的な光景だった。


どこまでも続く草原に、
そのあいだからいくつの小さな白い花が覗いていた。
緑の淡い光を瞬かせながら
ふわふわと飛ぶ蛍、その上には
雲一つない満点の星空に青白く
輝く満月。





「…綺麗……っ」





シンアloveはそれに魅了されて、一歩
また一歩と踏み出した。
両手を広げてすんだ空気を大きく吸い込む。





「...シンアlove、最近元気なかったから…
ここ見て…少しでも気分が晴れたらって」
「……それで私をここに?」
「…(コクッ」




少し恥ずかしかったのか頬をかきながら頷くシンア。
シンアloveは目を細めながら微笑むと言った。




「ありがとう、本当に嬉しいっ」





するとシンアはしばらく停止して、
次の瞬間バッと草原の奥の方へと走っていった。
そこでしゃがんでなにやらゴソゴソと
やり始めた彼をみてシンアloveは首を傾げた。






「...ほんとに綺麗っ」




ここのあたりを照らす月の光は
包み込んでくれるような暖かさを
感じて心がホッとした。
そして近くには愛おしい彼がいる。



ゆっくりと歩きながら周りを眺めているとふと、昔の記憶がフラッシュバックした。


似たようなところを私は知っている?
この小さな白い花がいくつもさいた場所。心の落ち着く…そう…
大好きな誰かと一緒にこうやって…





そこまで思考が働いたところで
ふと肩にちょんちょんと手が触れた。
それはシンアのもので、振り向くと彼はそこにいた。


彼の名を呼べば、シンアは
そっとシンアloveの左手をとってやさしく何かをつけた。

彼の手が離れたあと何かと確認すると、シンアloveの左手首には小さな白い花で丁寧に編まれた腕輪があった。




「...これ、あげる。」
「...シンアが作ったの?」
「うん」





するとシンアloveは静かに黙り込んで
その腕輪を見つめた。
見開かれた瞳はそのままに。


そして、次の瞬間シンアはギョッとした。

彼女の目から一筋の涙が伝っていたのだ。





…知ってるよ、この腕輪。
私の知ってるのはもう少し不格好で
あみ具合の緩いもの…

…知ってるよ、この面。
大好きだった私の剣の師匠と同じ…

…知ってるよ、この青い髪。
私のとなりにいつもあった…






「思い出したのっ…全部」
「…っ」
「...この腕輪のことも…アオのことも
……その"約束"も…


………"君"のこともっ」





月の光に涙を輝かせながら
そっと彼女は笑った。



「昔、これを一緒につくったよね
上手くできなくて私が教えたんだっけっ…一緒に剣をアオに教わったり
たわいのない遊びを沢山して…」




そっとシンアloveはシンアのもとに
歩み寄り彼の面へと手を伸ばした。




「それで、その時の"君"が私の
初恋の人だったんだ。」
「…シンアlove。」
「…ごめ…ね、忘れ…ちゃって…
会って…やっと、会えたのに…
思い出さ…なくて、、、
シンアはずっと…覚えててくれたんだよね…なのに、、私…っ」





すると、シンアは彼女の小さな
体を強く優しく抱きしめた。
そっと彼のぬくもりに包み込まれながらシンアloveは溢れ出る涙を必死にこらえる。




「俺…こそ、ごめん
シンアloveのこと…守れなくて…
力がなくて、守れなかった…
アオとの約束だったのに……」
「約束?…」
「うん…昔、アオと約束した。
"シンアloveを一生守る"って…
でも、約束だけじゃなくて…
俺も自分で…
シンアloveを守りたいと思う…」
「......シンア?」




するとシンアはそっと自分の面を
外した。そしてその金の瞳で
しっかりとシンアloveを見つめる。





「...シンアloveが、好き。」
「………えっ」




信じられない言葉に思わず聞き返してしまった。
本当?...と聞くとシンアは
こくりと頷く。




「私もシンアが、好き。」
「...シンアlove」



そっと両頬にふれていう。




「シンア、大好きっ」
「……オレも…大好き」




こてんと額を合わせて見つめあう。




「...もう離さない…から
ずっと一緒…」
「シンア…」





意外な言葉に恥ずかしくて顔を赤らめてしまうシンアlove。
腰に巻き付くシンアの腕に力が入る。

そして、彼の首に手を回しながら
ポツリといった。




「...シンアの目…やっぱり
綺麗よ…」



そしてどちらともなく目を閉じ、
そっと唇を合わせた。
しばらくして離れて、また優しく触れるその繰り返し。




このぬくもりをもう二度と失わない。

絶対に忘れない。









「…シンアlove…さっき
アオとの約束って…」
「あっ、それはねっ
"アイツといつかまた会って
そばにいてやってくれ"ってこと。
シンアとはまた再開できたしっ
もう、離れりしないから」
「...うんっ
シンアloveは、守るから…」






今亡き二人の大切な大好きだった
あの人を想いながら、
月の光に照らされて長い長い
時間を埋めるように、お互いの愛を確かめあった。






「シンア、大好きっ」





















ーーー



































記憶とりもどして
ひっついたあと
おわりのところ


シンア旅にでれてよかったね
たのしい?

美味しいご飯をたべられる
ぬくもり、ぃばしょ、仲間がある

なによりシンアloveと一緒にいられる
両頬触れる
額ひっつけ

キス

ずっと一緒だから

end


ーー



ここまで読んでいただきありがとうございます。
まだ企画中なのですが、ジェハ寄りヒロインのオリジナル編が完結次第、原作沿いを連載していこうかと考えているのでよろしくお願いします!
駄作ですみません、

ほんとにここまで読んでくださってありがとうございました(T_T)

巫女桜

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