暁の夢

□番外編 ぶっちゃけ誰と寝たいの?/乙女心は複雑なんです
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旅を続けるヨナ一行に
めでたい出来事が…

本日から、天幕ちゃん二号が
出来上がりました。
大きさもかなりあり、二人寝れる
天幕一号よりはるかに大きいです。
これで木の根元や地べたで
寝ずにすみます。



てなわけで、ヨナ姫一行たちは
今夜の寝る場所について話していました。





「じゃぁ、俺とヨナはいつもの天幕で寝るから雷獣と珍獣たちとその世話係二人はこの天幕で寝て。」




天幕の裾を整えたユンが、
立ち上がり膝についた砂をはらう。
すると、ジェハが不可解な点に気づき口を開いた。




「ちょっとまって?
この天幕で僕たち全員が寝るの?」




ハクと四龍たちを交互に指差しながら言う。




「何か不満でもあるのか?」
「今更ジェハがそばで寝てても何も思わないわよ〜」





キジャが首を傾げるとなりで、
ジェハloveが真顔でいった。





「いやそうじゃないけど、って
ジェハloveさらりとひどいこと言ってるから…


僕が言いたいのは、この広い天幕でも僕たち全員はさすがに狭いんじゃないかなってこと。
ゼノ君やシンアloveちゃんやジェハloveならまだ
いいけど、大の男3人てのはちょっと…

ハクとユン君が変わればいいんじゃないかな?」
「それいい!!ユンきゅんもふもふして寝たい!!」
「絶対やだっ!!」





ジェハの考えに一番に賛成したシンアlove。
しかしその理由にユンは顔を赤くさせて反対した。






「確かに、この広さでこの人数は
厳しいわねぇ…
最低でも向こうの天幕にユン君でない大きい男の人がいかないと」





うーんと手を顎にあてて考える
ジェハlove。
すると、ユンを捕獲して後ろから
がっちり抱きしめたシンアloveが提案をした。





「やっぱりハクがいいんじゃなぁい?ねぇ?ハクぅ〜(にやぁ」
「そりゃなんのニヤつきだ
シンアloveさんよぉ」
「ニヤついてなんかないよぉ〜
笑ってるんだよぉ〜っ」
「なんでもいいから離してってば!」
「私もハクがいいと思うなぁ〜」
「僕も〜」
「ゼノも〜!☆」
「...俺も。」
「...シンアまで...」





みんなしてハクがいいと思う〜と
口を揃えていうと、ヨナが
口を開いた。





「...私は、ハクと寝るのは...ちょっと...」




..................どんまい!!ハク!!
とみんなでハクの肩をポンポンと叩くとハクは頭に怒りマークをつけた。





「だそーだ、俺はこっちで寝るんで
白蛇様とでも寝てくだせー」
「そそそそんな滅相もない!
私が姫様のとなりで寝るなど!」
「「キジャが不眠症になっちゃうからやっぱりハクしかいないよ(わ)」」




口を揃えていうシンアloveとジェハloveをじとーっとみるとハクは、1つ質問した。




「てか、あんたら二人は
あの窮屈ななかでどうやって寝るんだよ」
「シンアに引っ付いて一心同体状態になれば問題ないわ(平然と」
「「ぶふぉっ」」




それを聞いたハクとジェハが
吹き出し、シンアは言ってることが想像できずに首を傾げた。
そして、なぜ笑われているのかも
わからないシンアloveも首を傾げた。
その様子に、ただ苦笑いをするジェハloveだった。





「ジェハloveは僕と抱きしめあって寝」
「ないわよ!」



「てゆーかぶっちゃけ娘さんたちは
誰と寝たいわけー?
ゼノは誰でもー!☆(にこぉっ」





白い歯をみせて笑うゼノに
シンアloveものっかる。




「私はぶっちゃけ言うと
誰かに引っ付いてあと、抱き枕が
あってまるまれればそれでいい!」
「じゃぁ俺もふもふの必要ないじゃん!」
「え?ユン君は抱き枕だよ♡(ぎゅぅ」
「わぁぁああ!///」
「シンアにぎゅーってされればそれでもー文句なしよ!!」
「.......ぇ、//(きょどり」
「僕はジェハloveと密着できればそれでi」
「キジャ、一緒に寝ましょうねっ」
「へ、あ、そ...それはそれでだな...その///」
「そうやって無視し続けても僕は
ジェハloveを追い続けるよ☆」
「へ、変態!!//」
「つーかなんで姫さんは俺と寝るの嫌なんですか?」
「え!と、それは...
だ、だってこの間...ハク…私に…//」
「ハクが何したの!?お兄さんに教えて!?」
「ヨナちゃんに何したの暗黒龍!!」
「獣ーーー!!」
「最後ちげーだろっ!」
「みんなでどーーんってしあいながら寝ればいいからぁ!☆」






会話の種子が折れそうだったので、
ここで仕切り直し。









「はい。じゃあヨナと雷獣、
その他珍獣と世話係と俺がここの
天幕、これで決まりっ文句ないね!」
「「「「「「「「はい。」」」」」」」」





みんな綺麗にユンの前に
正座をして、きっぱりと返事をした。



そして、各々それぞれの天幕へ...







「それで、どうやって寝るのだ?」
「上手いことユン君とゼノ君、
シンアloveちゃんとジェハloveを間におりこまないとね、」





うーんとジェハ考え込む。
するとはい!と手を挙げて
シンアloveが提案をした。




「ジェハloveちゃんとシンアは
端っこが好きで、ゼノは人の
間で寝るのが好きだし、
ジェハはジェハloveちゃんと私はユンちゃん抱いてシンアに包まれて寝たいから、
シンア、私、ユン、キジャ、ゼノ、ジェハ、ジェハloveちゃんて寝ればいいと思いまーすっ!これなら、大の男3人がならばずにすむでしょ?」
「...毎回すんなりとよく恥ずかしい事言えるわね...」
「?なにが?」
「なんでもないわっ」





シンアloveの天然な素直な好きだ!という
愛情表現に、少し羨ましいと思い、少し呆れるスウだった。




「うんそれいいね!シンアloveちゃんの
提案でいこうっ」






そして、その提案通り
寝転ぶとそれぞれ夢の中へと旅立っていった。








ーーー







そして、朝になった。


しかし、その新しい天幕に
ここの村人の女たち数人が
駆け込んできた。
そして、なぜかハクも連れてこられて中へ。
なんでも、怖い人を見たとのことだった。

昨夜の祭りでハクたちを気に入った
女たちは、彼らを頼ってここにきたのだ。
そして、怖いーっと嘆きながら
各々の気に召した男たちにすがりついた。





「「.........。」」





そして、この天幕のなかで
複雑な心境の乙女が二人。
突然安眠から解き放たれたと思ったら、最初に目に入ってきたのが、思い人が他の女性に抱きつかれている姿。朝一番で、頭の中はただただ混乱した。



「怖いわぁっ...震えが止まらないの...」
「まぁまぁおちついてっ
僕がついてるから」
「なんだったのかしら、...」
「ゼノが慰めてあげるからーっ」
「グスンツ...あなたの声を聞かせて?
そしたらきっと、元気がでるわっ」
「.........っ(おどおど」
「助けて...怖くて仕方が無いのっ」
「わわっと(焦り」
「キャーッ泣」
「おちつけって」

「「..................。」」





その時だった、
みんなを起こしにきたヨナが
入口を静かに開けた。





「みんな、そろそろ起きないと
...............」
「姫さん」
「姫様!」



ヨナはそのカオスな状況をみるなり
冷静に聞いた。


「.........何してるの?」
「そこのところで怖い人達を見かけて、(グスン」
「そう、なら私が見てくるわっ」





そういってヨナは入口をしめて、
去ろうとした。それをすかさずハクとキジャが呼び止める。
しかし、ヨナはそのまま行ってしまった。





「...私も行ってくるわっ
ヨナちゃん一人じゃ心配だし」
「そうね、私も一緒に行くわっ」







そしてジェハloveとジェハloveも被っていた布団をはいで立ち上がった。
あらたに立ち去ろうとする二人に
今度はジェハたちも声をかける。




「ジェハloveっ」
「ジェハloveー?」




そばにいたジェハとゼノに声をかけられてジェハloveはちらりとそちらを向く。
二人のそばにはおなじくこちらを不思議そうに見ている女性たち。




「安心してくださいねっ
私たちが倒してきますからっ」





普段素直になれない自分に心底、
悩まされるが、今はさらにいろいろと悩んでいた。
しかし、そんなふうに悩む自分も実は嫌でとりあえず今はこの場所から去ってヨナのもとに行きたかった。

そしてジェハloveは女性たちに安心させるように言うと天幕をでた。




続いて最後にシンアloveが出ようとすると、シンアが助けを求めるように呼び止めた。




「シンアlove...」




慣れない女性にたくさん囲まれて
どうしたらいいのか混乱するシンア。
いつもだったらおどおどとするシンアを助ける、だから今も本当は助けたい...そして、口を開きかけたとき、
シンアを囲む女性の一人が"きゃ!やっと喋った!"といった。
その瞬間胸の中のモヤモヤが胸をきゅっと締め付けて、いいかけた言葉を飲み込ませた。



「シンアlove?」




ゼノが心配して声をかける。
しかし、応答する気になれなかった。
そして、すこし苦い表情を
してシンアloveは天幕を後にした。






残された男たちは彼女たちの出ていった入口を眺めていた。




「...あの女の子たち、まだ若いのにたくましいのねっ」




ポツリと女の一人が言うのだった。












ヨナに合流した二人。



沈黙のなかヨナが口を開いた。






「なんだか、私さっきの光景を
見たあとから胸がチクチクとするの」
「...私もだよっ、おまけにちょっと涙がでそー」
「...私もよ、そして少し自己嫌悪...」
「「「.........。」」」









「なんだか、よくわからない感情だわっ」
「同感、あぁ...シンアとゼノのこと無視しちゃったぁ...」
「怒ってるかしら...でも、あそこで呼び止められて止まってても余計に居づらいだけだったものね」
「そうね、」
「たしかに、」
「「「......。はぁ、」」」







「てゆーか、ヨナちゃんがそうなるってことはハク脈ってことだね」
「ほんとねっ脈ありね」
「...?」













と、しばらくするとゼノ以外の
ハクやジェハ、キジャとシンアが駆けつけてきた。




怪しい人達について聞かれたので、
少し得た情報を話した。
そして、沈黙...




「...姫さん、ちょっといいか?」
「何?ハク、」





するとハクはヨナをつれてどこかへ言ってしまった。

きょとんとシンアloveとジェハloveが
していると、
きゅうに頬に感触が


それはチュッと音をたてて
離れていった。
慌ててそちらを見ると、
ゼノがにこにこしながらこちらを見ていた。

二人の頬に順番にキスをしたのだ。




「なっゼ//」
「ゼノ?//」
「へへーっ☆特別っ!
シンアloveとジェハloveはゼノの大事なお姫様っ
代わりなんてどこにもいないからっ!」





にこぉっと笑うとゼノは、
天幕の方へと戻っていってしまった。
あっけにとられていると、
ジェハがやれやれと口を開いた。




「まんまと先をこされちゃったねぇ〜、さておき、ジェハlove。」
「...?」
「僕と愛の遊覧飛行しない?」




クイッと空を指さしてウインクをするジェハ。
すると、じわっと熱いものがこみ上げてきたジェハloveだが、それを押しこらえて満面の笑みで笑うと言った。





「根拠がわからないけど、
でも...仕方ないから付き合ってあげるわっ」




その返事を受け取るように微笑むと、ジェハはジェハloveを優しく抱いて
広大な青空へと飛び立って行った。





「...言っちゃった...。」
「.........。」





二人が見えなくなった空を
眺めるシンアloveに、そっとシンアが
近寄る。
そしてそっと彼女の名前を呼んだ。




「...シンアlove」
「...シンア、...さっきはごめんねっ?
無視...しちゃって、」




するとシンアは首を横に振った。




「ホントはね、ほかの女の子に
引っ付かれてるシンアをみて
ヤキモチやいちゃったの、」





えへへっと苦笑いをして、後頭部をかく彼女。
するとシンアが優しく彼女を抱きしめた。




「...シンアlove、好き」
「っ!...私も、私もシンア大好き!」




そういって抱きしめ返して、
チュッとシンア唇に触れた。
一瞬驚きつつも、そっと
シンアも目を閉じるのだった。











強くも気持ちのいい風が頬を
かすめる。




「ジェハっ!」
「何だい?」




風の音が大きいので、
大声で離す。


そして、ジェハloveは大きく息を吸い込むと叫んだ。




「大好きぃー!!」







聞こえていたかいなかは、
わからないが彼女を包むジェハの腕に一層力が込められたのだった。





広大な空は少しだけ私を
素直にしてくれたっ。












ーー

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