池袋少女

□04 お寿司は正直にさせる
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いつもの清々しい朝。
私はシズりんの机の前に座り、
彼を眺める。
しかーし目の前の彼は貧乏ゆすりをして血管を浮きだたせている。
おう、机が揺れるぜ。




「殺す殺す殺す殺す」
「シズりん」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
「バニラアイス食べよ」
「殺す殺す殺す殺す殺……おぉ」




パカっとバニラアイスのフタをあけてほおばる。
うん、うまい。
あの日からシズりんは機嫌が悪い、
どーやったら治るんだろう、




「シズちゃんがキスできたらなおるんじゃなーい?」
「ほわ!?イザりん!?」
「おはよー六花」
「おお、おはよ
びっくりしたぁ」
「……。」




あれからとゆーもの特に六花があのキスについてどーこー言ってこない。
気にしてるよーでもない。




「ノミ蟲てめぇ、朝からそのうぜぇつら見せやがって…」
「…シズりん、口びるにバニラアイスつけながらそんなこといっててもチャーミングなだけだよ」
「…な…っ!」


ペロッ



「…ハ?」
「んー、甘いやっぱバニラアイスはいいねっ!…ん?」
「っ////」



バッと口を抑えて固まるシズりん。
わっつ?私今、あー、シズりんのアイスペロッと頂いちゃったんだ。



「えっとぉ、シズりん…ごめん、
はじめてだった?
なんだったらこのままノーカウントに」
「や…べつに、いい」
「え?」
「…気にしてねー」
「そか」






六花は感情が読めないし何を考えているかわからない。
現に俺やシズちゃんとこーゆーことになっても気にもしない。
感情のコントロールがうまいのか?
それに、あれからいろいろ調べたけど、六花の情報はまったくでてこない。
面白いよつくづく。

でもまぁ、そんなことよりまずは
六花にちゃっかり唇貰われた単細胞にお仕置きしないと、ね?







ーーー






お昼の知らせのチャイムとともに
教室が賑やかになる。



「沙闇、飯いくぞ」
「うん。」
「沙闇ちゃん今日の午後空いてる?
良かったらその時に採血だけでも」
「…変態闇医者しっしっ」




ぺいぺいと手をやると、新羅は胸に手を当てて叫んだ。



「酷いなぁ!僕は君の生体に興味津々!夜も眠れないんだよ!
あ、でもセルティがあやしてくれるからへいk」
「いいからもういくぞ…
早く行かねーと六花がぐずる。」
「うん、京平。」




お決まりの屋上へと3人は急いだ。




ーーー




「遅いよママンたち!お腹すいたァ」
「わりぃ」
「ドタチン沙闇でも口説いてたの?」
「なんでそーなる、」
「さやりんもこっちこっち!」
「うん、」



やんやとお昼ご飯を食べたあと、
みんなで二階の教室前の廊下でお喋りしていた。


そんなときさやりんがずっと聞きたかったことを聞いてきた。


「六花は人間なの?」
「…あー、だそーですがどーなんでしょう臨也さん」
「俺に聞くー?まぁー人間でいいんじゃない?俺が興味抱いてるわけだしっ」
「……」




しかしまじまじと私の髪や目をみてきた。
うん、やっぱしそ〜なるよねぇ


「うーんまー説明するのもあれなんで実際みたほーが早いっしょ!」



そして私はここ二階窓に立つ。



「は!ちょ」



臨也も焦ったようで目を見開く。




「なわけでばいばーい☆」
「は!?ここ3k」
「I can fly!!」落下
「「「あぁあぁあぁあぁあぁ!!」」」


3人は絶叫。
新羅りんとさやりんは目を見開いて驚いていました。







ーーー





「バカ野郎!」(デコピン
「あたぃ!シズりんいたい!」
「ホント六花って予想外のことしてくれるよね…」




イザりんは頭を抱えてしまった、
ママンも呆れたのとホットしたのと複雑な顔をしている。




「はい、まったく奇想天外
六花はいつも僕を困らせるんだから」
「…すません、」



2階から転落した私は木がクッションとなり大きな打撲はなかったものの切り傷があちらこちらに、




「…あっ、まって新羅りん
もーそろそろ、あ、ほら」
「え、」


さやりんは小さな声をもらした。
そう、今見せている膝や腕の切り傷の血がもう止まっているのだ。



「…こんな感じでちょっと治りがはやいんだよねー
あとは、超人並に動けたり、
多分シズりんといい感じでやりあえるかも」
「まぢでか」
「オーよシズりん」

「…す、すごい。」




その後さやりんとは宇宙人の話やら色んなことを語り、初めての女友達になりました、。




ーーー




「はいっ手当終わり」
「ありがとう新羅りん」

「ねーねー、ずっと気になってたんだけど、前話しそびれた新羅と六花の関係は?」
「あー、そういえば話してなかったね、」
「僕と六花は兄妹なんだよ」





………………………
はぁああ!!!?




「ちょっとまて、てめぇ、
兄妹がいるなんて聞いたことねぇーぞ」
「シズちゃんに同意。
俺も初耳だね。」
「………どういうことだ?」
「…知りたい。」
「簡単に説明すると、六花は僕の父さんに養子として引き取られたってこと。」
「だから新羅りんとは義理兄
義理妹ってわけなのよ」



それは理解してもらえてもやっぱり、そこまでのなれそれがイマイチわかってもらえてないみたい。

んー、それなら



「帰りに私のマイホームにご招待しよう!そこで、お話するよ。」


その提案にイザりんはすんごいノリ気でした。






ーーー





「ここ、が、六花の家?」
「いえす!正式にはここの中の一室なんだけどね!」



てここ、露西亜寿司じゃん!!!
ででーん。




ガラララ




「たっだいまー」
「オカエリーヘーイ。
スシクウイイネェー
アタマヨクナルヨォ」
「サイモンただいまぁ!」
「リッカダキツクヨクナイネー」
「こら、手を洗ってうがいをして来い」
「デニスもただいま!!」



入口からぞろぞろと入ってきた面々にデニスは固まった。


「…なんだ、池袋の命日か?」
「私のお友達をつれてきたんだよーん

「ナカヨシイイネー
スシクウモットイイネェー」



デニスはきっとシズりんとイザりんが一緒にいるのをみて驚愕したんだと思う。


さて、私の部屋(露西亜寿司の個室)
に案内してみんな座る。
奥の方に新羅りん、さやりん、
ママン

そして手前の先に奥から
シズりん、私、イザりんと座る。

サイモンにお水を出されて
それぞれ口にする。

しばらくの沈黙のあと、
私は思い口を開いた。




「えっとぉ、どこから話したらいいのか、、…とりあえずロシアにいた頃にお世話になってたサイモンとデニスをあてにしてこっちにきたわけなのよ。で、日本に来る際に新羅りんのパパンが私を養子にしてくれて、」
「大雑把に説明するな。」
「ショウジキニハナス
イイコトネェー」
「うぐっ…だって巻き込みたくな」
「ハーイロシアズシトクベツモリオマチネー
ロクニンマエヨー
ナカヨクネェー
ソレデハゴユルリトー」



ピシャン


扉をしめられてしまった。


デニスとサイモンに後押しされて、
私は話す決心をした。




「実はね、」





私はとあるロシアの組織の人工的に作り出す殺人兵器の実験台にされたの。成功させて殺し屋にさせるつもりだったのね。
それで色んな薬をもられて、こんな髪や目になっちゃったってわけ。
おまけに怪我の治りはいーし、
身体能力は半端じゃないし。
でもその当時体はぼろぼろで、

まぁ、その組織が当時サイモン達と敵対する組織で、その襲撃の際二人に助けてもらったの。
で、私のことをしった新羅りんのパパン岸谷森厳が私を買ったの。
で、その施設でいろいろしてもらって、なんとか人として生活できるぐらいに体をなおしてもらって、
だけど、いくら強化してある体でもここ。心臓がついてこなくて、その力を使いすぎると発作がおきちゃうの。



「一歩間違うと死んじゃうかもしれない」


メガネを光らせて新羅がいった。



「ちょ、新羅、」
「大袈裟な話じゃないよ?」
「でもそのための薬でしょ!?」
「そぉ、あの父さんから渡された薬を飲んでいれば倒れることもないし
無理をしなければ多少の能力をつかっても問題ない。」
「とゆーか勝手に治ったりパワフルになっちゃうんだけどね?」
「だけど六花薬をよく飲み忘れるでしょ」
「うぐっ…とにかく、、、
その組織ってのに逃げてきた感じで今追われてるの。
身を隠す形でここに暮らしてるから、あんまり巻き込みたくなかったの。変に知って危害を及ばせたくなかったから…」

「今更なんだよ水癖ー」
「静雄の言う通りだな。」
「あんま舐められても困っちゃうなぁ」
「…いざという時は、私がそいつらを冥道おくりにする」

「みんな…、…もぉー!五人とも大好き!!」



そのあとはサイモンからもらったお寿司をおいしく頬張った。
話したことで余計にみんなとの距離が縮まった気がする。



「イザりん大トロ好きなんだ。」
「うん、大好き」
「ん、じゃーあげる。その代わりその玉子ちょうだい。」
「ん、」
「さんくす」
「くわっ、」
「どうした沙闇、てお前わさびだめだったな」
「……お、水」
「はい。」
「ありが、と、新羅…ぷは!」
「俺もわさびだめだ。」
「シズちゃん子供〜」
「あ゛ぁ?」
「わーおいし!」



コメ粒ひとつ残さずお寿司を感触したとこで、みんなでだらだらとした。
やっぱり食べたあとは眠くなるよねー



「…そーいえば六花、家に来る気になった?」
「…やだよ。」
「兄妹水入らずでくらそーじゃないか」
「ぜーーーったいや!
あの新婚みたいな雰囲気に私の居場所がない!セルティはかわゆいけど」
「だよね!!セルティは女神だ!
六花にはまだ彼女の魅力を十億分の一しか話せていな「ぱーんち♡」あう」


「家って、そっかここがお前の家なんだもんな」
「そ、ママン。て、イザりんセクハラ」
「え?なに、」
「いやいやなんで腰に手!?」
「そりゃーもーシズちゃんに1ミリたりとも近づけたくないからでしょ」
「シーズりんへーるぷ」
「よし臨也君歯こいしばろーか」
「シズちゃん笑顔怖い」

「…六花住む場所ないなら、うち来ればいい。」
「ええ!?」



わっつ!?女神だ!
どゆこと!?私は身を乗り出してさやりんにたずねた。



「私の家となり空いてるから。」
「…あーお前のうちシェアハウスだったな。」
「長いこととなり空いてるから、
六花だったら…許す。」



あー、このさやりんの澄んだ目。
となりのお部屋が空いてる理由がなんとなくわかってきたよ。




「家賃は?光熱費は!?」


さやりんにきくとお手軽物件!



「きめた!!私ここに住む!」





その一週間後、露西亜寿司から六花はシェアハウスに引っ越しました。





「あ、実は私ここでバイトしてるんだよね」
「ロシア語はなせんのか?」
「いえす!ママン!
суси; сушивосхитительный; прелестный; вкусный!!」
「何言ってんだ。」
「お寿司美味しかった!」
「Конечно」(確かに)
「おま!沙闇も喋れたのかよ!」




お寿司はうまい。




ーー

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