池袋少女

□06 王様だーれだ!
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六花&沙闇宅にて




「あーーうーーー。」
「…六花、元気出して。」



共同スペースのダイニングテーブルで突っ伏せる私とそれを慰めるさやりん。

ここ一週間私は完全にガソリンを失っています。
私のエネルギーの源"楽しい!"
がないから…
いよいよ春休みがスタートしたと思ったら、なんと終業式以来みんなにあえてないんだよ!?

もー耐えられない。



「…六花、気分転換に
お花見でも行く?」
「…………………。
……今なんと?」
「………お花見、」
「それだぁ!!」



春といえば桜!
桜といえばお花見!
お花見といえば屋台!
なんてことを私は忘れていたんだ!


てなわけで招集をかけます。




________________________________
宛先:イザりん シズりん ママン 新羅り さやりん
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件名:緊急招集!!!!
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明後日、南池袋公園にて
花見をやります!☆

朝10:00に、私とさやりんの家に集合
各自お昼になるようなオカズを持参してください!

遅刻厳禁ねーヾ(⌒(_*'ω'*)_

P.S.
遅刻したらすてーーきなお仕置きがまっております。


六花より

_________________________________





送信っと☆


「…私にまで送らなくても」
「やだよ!なんか仲間外れみたいじゃん!」
「………。」




そのころ、メールを受け取った人達はというと…



ピロロロ
「…あ?花見?…ちっ
ノミ蟲野郎と…」


ピロロロ
「花見いいね!
セルティも一緒に、あう!」


ピロロロ
「花見か、なんかおかずになるようなもんうちにあったか?」


ピロロロ
「花見…ねぇ、というより」


「「「「そろそろ招集かかる気がしてた。」」」」






ーーー




お花見当日。

ピンポーン


「お邪魔しま、うわ!」←新羅
「うぉ!」←静雄
「うわっ!」←臨也
「おっ!」←門田


「会いたかったぁあぁあ!!」
「…………………っ、…、…!」

なんだかんだめちゃめちゃ会いたかった。

私とさやりんで四人に思いっきり抱きついた。



仕切り直して共同スペースのリビングに四人をとおした。


「わ、なんだこれ」


ママンはキッチンに広がる私とさやりんでつくったあらゆる食材で作ったおかずを見て驚いていた。


「へへん!
シズりんのための種類豊富な野菜料理!イザりんのためのあらゆる肉を使ったお肉料理!
その他デザートや和洋食たーくさん!すごいでしょ!!」



イザりんはひゅーと口笛をならして、シズりんは目を輝かせた。



「…最後の仕上げにこれを、」
「!!だめ!さやりんストップ!!
ストーーーーップ!」



謎の粉末を料理にかけようとする
さやりんを後ろから押さえつける。
その様子を見てこれが出来上がるまでの六花の苦労をみんなは悟ったのだった。





ーーー




VIP席ゲット!
満開の桜の下で、ほかの誰もいない環境での花見!

人間嫌いのさやりんとうるさいのが嫌いなシズりん。(チンピラ防止)
その二人のためにね。



ブルーシートに座ってご飯を広げる。
そして、お待ちかねのみんなの料理を拝見!


「新羅りんがもってきたおかずは?」
「セルティの作った愛妻弁当だよ♡」
「ママンは?」
「…まぁ、対したもんじゃねーけどテキトーなお惣菜。」
「シズりんは?」
「デザートにってうまい店でプリン買ってきた。」
「え、シズりんチャーミング」
「…は?」
「さて、次は………イザりん…」
「「「「「………………。」」」」」
「え、何この思い空気。」
「や、だってイザりん…」
「折原くんは…ねぇ」
「ノミ蟲野郎がもってきたおかずは…」
「……………。(黙」
「……やばそう…。」
「…なんか失礼じゃないかなみんな
べつに普通なお寿司だよ。
露西亜寿司。」
「イザりんが普通!!?」
「それを言ったのはこの口かな?」
「いひゃひゃひゃひゃ」



それぞれ広げた色とりどりのご飯をみんなで平らげた。
どれも美味しくて、あ、
セルティのご飯は別の意味で美味しかった。





ーーー




そしていよいよお決まり!



「王様ゲーーーーーム!!」
てってれーん


割り箸で作った棒を掲げる。
赤く塗ってあるのが王様。
あとは1.2.3.4.5と番号がふってある。
これを箱に入れてそれぞれに引いてもらう。



「イザりんイカサマなしね」
「…ちっ、はいはい」



そして引き終わりみんなでせーのっ



「「「「「「王様だーれだ」」」」」」
「ワタシデーーース!」
「お前かよ!」
「イエス!」



キレのあるツッコミをシズりんからうけて、私はお題を考える。



「うーん、なににしようかな。」
「…わくわく。」
「頼むから変なのはやめてくれ。」


んー、どうしよう。
私はみんなの顔を見てみた。
私の左から
イザりん 新羅りん ママン さやりん シズりん そして自分へと戻ってきてピンときた!



「3番と5番が頭をなで合う!」
「「!!?」」
「あー、よかった俺じゃねぇ」
「京平も?、私も違う」
「僕も違うよ……てことは…」



……………臨也と静雄!!!?

おいおいおいなんてことしてくれた!!と、いう視線を浴びながら私はにこにこと笑っておいた。



「これ俺が撫でられたら頭が握りつぶされるフラグだよね」
「ノミ蟲野郎、と…撫であいだ?
………っ」



この時点でもうシズりんの額には血管が。



「王様のいうことは絶対!
そーだ!わたしがせーのっ!て言ったらお互いが撫でるてのはどー?
一秒でもいいから」
「「…やd「いいよね?」」」
「「……はい。」」


てなわけで私達の中心で向き合う二人。

一同絶句。
私は満面の笑で掛け声をあげた。


「せーのっ!」
「「…っ!」」


シズりんがあげた手が左手、
イザりんがあげた手が右手
見事にぶつかり、
気を使ったのか違う方をあげた手が
またしてもぶつかり、



「!くそノミ蟲てめぇじっとしてやがれ!!」
「シズちゃんこそ右か左かはっきりしてよね!!」
「あ゛ぁ!?」
「ちょ!二人とも!」


取っ組み合いになってしまった二人を止めようと手を伸ばしたときだった。



「あ、」
「「「え、」」」



ゴンッ


お互いバランスを崩し、シートの上に倒れ込んでしまった。
そして、静雄の上に臨也がおおいかぶさるかたちとなりオデコをお互いぶつける。
しかし……………………あたってるんだよね




…………………唇が。




「「……………………………」」



「うわぁあぁああーー!!
ごめんーー!!
なんかほんと二人ともごめんー!
私が悪かったよぉーー!!」









《しばらくお待ちください。》















ーーー





あれから帰ろうとした臨也を止め、
桜の木を引っこ抜こうとする静雄をとめ、なんとか二人とも元のシートの上に座ってくれた。
うん、我ながら止めた自分がすごいとおもう。



でも……空気重!!!
もー地球ひっくり返していい!?
クワンと!┏( .-. ┏ ) ┓

もー、ママンも気分悪そうだし
新羅りんも笑ってはいるけど目が死んでる。
さやりんは、まぁいつもどおりの真顔、イザりんもシズりんも最高に機嫌悪そうな顔してる!!黒いよ!黒い!




「……えっとぉ、気を取り直してー
王様だーれだー。(棒読み」

「あ、僕だ。」
「さぁ、新羅りん、どうぞご命令を。」
「んー、じゃあ2番と6番に
5番の人がキスをする。」




ここにまた核ミサイルをおとすか!!?
何してんの我が兄妹!!!

てか、



「あ、5番て私じゃん。」
「「!!」」
「っ、2番と6番は
俺はちげーぞ。」
「…私も、」



ああ、なるほど、、、
また、、、、


このふた、り!!!?
なに!?その顔!なんで二人とも地味に助かったみたいな顔してんの!?



「はい、じゃあ六花にキスして。
唇ね唇。唇だよわかってる?唇だよ。」
「やかましいわ!!」


…まぁ、うん、やるっきゃないけど…
なんでまた二人睨み合ってるの?


「…京平、なんで二人とも睨み合ってるの?」
「あー、あれだろ、どっちが先にされるかってやつだろ…」



ごおおおおおっと燃える二人。

……なるほどね。、


私は二人にじわりとよった。




「じゃあ二人とも、いくよ」
「「…………………。」」



チュッ


「えいっ」


「は?」



思わぬ行動にママンが声を出す。

私は両手で人差し指を立てると
その2本に唇をあて、それを二人の唇にあてた。



「………、これで……
許してください///」



恥ずかしいいぃ、

真っ赤になって顔を隠すと、
それにつられたのか二人まで赤くなってしまった。




「…まぁ、これでお色直しができたんじゃねーの…」
「…京平諦めた顔」





ーーー




しきり直されたことにより、
また王様ゲームがスタート。



「「「「「「王様だーれだ」」」」」」
「…………私✨」
「さやりんきたー!お題は?」
「…王様に大好きだよっていって
抱っこしてくるくるまわる。」

以外と、甘えんぼ?



またそんな酷なお題を!!
とみんな思ったのだ。


「えと、それは何番の人が?、」
「、3番」
「…は」
「…ママンではないか!」


これは救われた!!
しかし当の本人ママンは真っ赤になって固まってる。
私服のため帽子をかぶってる、
それをくしゅっとやって顔を隠す。



「ドタチンがんばー」
「門田君がんばれ」
「ママン!ここは男気を見せるところだよ!」


そして、ブルーシートの外へ移動した二人。

あいだを風が吹き抜ける。


「…いくぞ。」
「…うん。」



おーっと!いよいよママンがさやりんに近づき…抱き抱えたぁぁああーー!


「さて!これからどうなるのでしょうか!!」
「やかましいわ!」デコピン



実況をシズりんに突っ込まれたので黙って見ることにした。




フワッ


クルクルクル



クルクルクルクルクルクル

クルクルクルクルクルクル

クルクルクル、




「どうしよ、微笑ましくなってきた。」
「六花に同意するよ」


イザりんが苦笑いしている。




そして、、




「…京平、」
「………だ、」
「…だ?」
「だ、…」
「………。」
「"大好きだよ!"」




「………言った!」
「とゆーか、完璧棒読みなセリフになってたけどね」
「イザりん気にしないの」
「あれいうの小っ恥ずかしいんだろうな…」
「え?そう?」
「「?」」
「、私は臨也も静雄も大好きだよ(ニコッ」
「あーあ、また二人ともさっきの熱思い出しちゃったじゃない」
「新羅りんも好き!」
「うん、僕も」


なぜか固まってる二人をおいといて、わたしはさやりんたちをみた。
すると完全に羞恥心で潰れたママンをさやりんが満足そうに撫でていた。




なんか、ある意味兄妹みたいだね、





それからなんだかんだ
楽しくお花見を終えることができました。




てなわけで春休みも楽しく終わりました。





ーーー




新羅宅

『新羅、この間のお花見どうだった?』
「ん?あー楽しかったよ。
もう五里霧中、キスしたり抱っこして回ったり大変だったよ」
『ききききききききkこ
キスーーーーーー!?』
「うん。折原君と静雄がね」
『………………………まぢで?』
「そうだよ!もぅそれは濃厚な、て
まーそのあと六花が二人にキスしてなおったけどって、
そんなことより!僕はセルティとキスがしたいよ!ちゅぅごふっ!」
『さすが六花だな、』








ーー

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