黒子のバスケ

□日向と満月
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「日向って、ひなたみたいだな…」

「あ?んだよいきなり…」


今夜は誰も居ないからと伊月に引っ張られ、色々と致してしまった後のベッドの上。
ただ何もせずに愛しい存在を抱き締めていれば、ぽつりと聞こえた静かな声。


「またくだらないダジャレとかじゃないよな?」

「はは、違うって。こうやって抱き締められてるとさ、ひなたみたいにあったかいよなって」

そう言って胸元に擦り寄ってくるこいつが可愛いと思ってしまうのは、もう仕方がない。

「じゃあ伊月は満月だな」

「なんだよそれ、俺が冷たいってことか?」

「ちげーよ、ダァホ。どんなに真っ暗でなんも見えなくても、伊月が俺の進む道を照らしてくれるだろ。それってなんか、夜道を照らす満月の灯りだなって、思っただけだ」

試合中も、練習中も。
こいつが道標になってくれてんだ。

「へぇ、俺そんなに日向の役に立ってたのか」

なんて。満更でも無さそうな顔して微笑みやがって。

「じゃあさ、その道標が消えないように、日向のひなたの暖かさでずっと俺を包んでてくれよ」

…ほんと、お前は男前だよ。

「当たり前だろ?」


ふと窓の外を見やればそこには満月。


「…日向、好き」

「…俺もだっての」


ひなたの暖かさと満月の明るさ。
これからも、ずっと共に。

 
  

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