リクエスト

□告白練習
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相互記念にはやかさんにお題を出してもらって書いたものです。

注:口調が迷子。
B子とD音がキャラ崩壊。

ーーーーーー



 ある日の放課後、C太は人気のない旧校舎へと足を進める。いつものように裏庭を抜け、着いたのは少し離れた所にある旧校舎の音楽室。

 今日は朝に登校してから、一度も会っていなかったのでA弥の顔を見れるとオレは上機嫌で音楽室の扉を開け放った。

「A────」

「…ぼっ僕、実はずっと好きだったんだ!いきなりこんな事言ったら気持ち悪いって思われるって分かってる!それでも好きで仕方ないんだ…っ」

 弥、は音として発せらもなく消えた。
 そんな告白以外の何物でもないセリフを言ったのは、事もあろうか愛して止まないA弥であった。
 驚愕のあまり身を固まらせる。

 勇気を振り絞るように手を胸の前で握り締め、羞恥心に顔を赤面させる。
 そんな可愛らしいの一言に尽きるA弥の目の前に立っているのは、なんとD音だった。
 D音はいつもの貼り付けたような笑みではなく、自然な笑顔でそことなく頬も高揚しているように見える。

 そんなA弥とD音を見守っているのはいつもの席に座るB子。彼女は「A弥頑張れ!」と声援を送っている。






「……………………………………………………何してるの」



 やっと振り絞って出たセリフ。通常よりもかなり低い声が出た。まるで気分を体現しているようだな、と何なく感じた。

「C太!?」

 A弥がやっとオレに気付いたようで、目を見開く。そして真っ赤になって「…あ……ぅあ…」と呟きだした。

 D音の方はオレを見るなり、ニヤニヤと笑みを浮かべた。その顔を無性にグチャグチャにしたい衝動に駆られる。しかし、自分を抑え込んで状況の理解に徹する。

「…何してたのかな?」

 笑顔を浮かべて問う。

「…さぁ?それはA弥さんに聞いた方がいいと思いますよ?」

 D音は笑う。無自覚なのか、わざとなのか腹黒さが滲み出ている。そんな笑みに口元が引きつる。
 D音に問いても答えは聞き出せないと感じ、A弥に問いかける。

「A弥は答えてくれるよね?…何してたの?」

 にっこりと笑うとA弥の身体が跳ねた。そして助けを求めるようにD音達に目線をさ迷わせる。B子が何か言いたそうな顔をしていたが、D音に目配りをされて口を閉ざした。


 ……A弥は答えずに不安げに視線ばかりをさ迷わせるばかりだ。

「オレの質問に答えないの?」

 A弥は俯くばかりで答えようとしない。


 ……あぁ、イライラするな。


「…ちょっと来て」

 A弥の腕を引っ張って音楽室から出て行く。




「C太、痛い…っ」

 どうやら力強く握りすぎたらしい。けど優しく力を弱めてやる義理なんてないから、そのままA弥の制止する声も無視して強引に腕を引く。

 そして近くの無人の教室に入ると鍵を閉めた。


「…C─」

「A弥さっき何してたの?」

 A弥の声遮って問う。満面の笑みで言ったのに、声に棘がある事が自分でも分かった。

「もしかしてアレ、D音に言ったの?何?D音の事好きなの?ねぇちゃんと分かってる?A弥。A弥にオレ以外の奴は要らない。必要ない。A弥はオレのだろ」

「…C──」

「もしかしてオレから離れようとしてたとか?…そんなのダメだよA弥はオレの物だ。他の誰もA弥には必要ない。昔からずっとオレ以外の人間は近くに寄せなかったろ?A弥にはオレしか要らないし、オレもA弥のものでいいんだよ。他の誰かのものになるA弥なんて許さない。考え直せよ。オレの方がA弥を幸せに出来るし理解してる。A弥の全てを知っててる。大丈夫、オレは幸せにしてあげるから。もしかしてそれでもまだ不満?だったら─…」

「違う!」

 今度はA弥に声を遮られた。A弥はオレを上目遣いに睨む。

「………何」

「僕の話も少しは聞け!勝手に勘違いして、勝手に話を進めるな!」

 A弥に怒られた。
 今までA弥に怒鳴られて事なんて無かったから、初めての事に驚く。

「確かにD音に告白は言ったけど、僕が本当にD音の事好きな訳ないだろ!?」

「…じゃあ何で、あんな事言ったの」

 オレが問うとA弥は「……うっ」と言葉に詰まり、目線を泳がせる。

「…何で?」

 少し強めな口調で問う。



 すると真っ赤な顔で眉をつり上げ、もう自棄になって言う。

「D音には練習付き合って貰ってたんだよ!告白の練習!!」

「誰──」

「誰にとか聞くなよ。…告白するような相手、一人しか居ないだろ」

 A弥の睨んでくる瞳が羞恥心で潤む。
 相手というのは誰だろう、という問いか頭の中を駆け巡る。A弥の言い方だとまるで────…



「…オレ…?」

「そうだよ!嗚呼、もうっ!ちゃんとカッコ良く告白しようと思ったのに…C太のバカっ!」

 A弥は自棄になってそう叫ぶとそっぽを向いてしまった。
 黒髪に埋もれながらも見える耳が真っ赤で、止めどなくA弥への愛しさが溢れて出て。オレは我慢できずにA弥に背中から抱きついた。

「うわっ!?」

「…オレも好きだよ」

 耳元で囁くと、

「……そんなの嫌という程知ってる…」

 小さく返ってきた言葉に、夢なら覚めないでくれ、と強く願った。





ーーーーーー



 一方、A弥とC太が抱き合っている教室の廊下には人影があった。

「きゃー!!D音!見てる!?見てる!!?リアルCAよ!」

「はい!見てますよB子ちゃん!A弥さんが相談してきた時は普通に告白するんだきゃぁぁ!!って思いましたけど、まさかこんな美味しい展開になるなんて!!」

「D音がC太を煽ってくれたおかげよ!グッジョブ!」


 親指を立てるB子にD音は同じく親指を立て、満面の笑みでまた教室を覗き見るのだった。





ーーーーーー


何てこった…。オチが思いつかず、まさかの二人が腐女子になってしまった…。

…ん?教室の鍵はC太が閉めたはずなのに、何故二人が教室を覗けるのかって?それは腐女子の気合いで(ピッキングして)開けたんだよジョニー。

読んでいただいてありがとうございます。お粗末様でしたー(_ _ )

+色々すみませんでしたー(^-^;)
 

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