オリジナルBL

□プロローグ
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はい、どーも。
俺薙刀猫(なぎなたねこ)って言いまーす。


さて唐突ですが俺は今どこにいるでしょーか!

5分以内に答えた方には景品海外旅行のチケットを差し上げまーす。



え?日本が一番?遠慮してるの?もしくはツンデレですか?
やだなぁ需要ないよ?ww


あ、5分たちましたねー回答をどうぞー。


え?まだ30秒もたってない?

俺が数えてるんだから正確な時間で考えられましてもねぇー?
俺が嘘ついてる可能性を考えなきゃ。そんな簡単に人を信用すると痛い目見るよ?詐欺とか詐欺とか詐欺とかね。


ん?性格悪い?
違う違う、俺は性格悪いんじゃなくて愉快犯で性根が腐ってるだ・け☆




はい、では答え合わせでーす。

俺は今裏庭の見渡せる旧校舎の二階の窓に立ってまーす。

俺がいる学園は広く、裏庭だけで通常の学校の校舎くらいの規模はあるはずだ。
ま、この学園金持ちしか揃ってないから当然かもしれないが。

殆どが金持ち生徒だが、たまに普通の一般家庭の奴もいるのだよ。
そして俺はその中の一人な訳なのだよー。今日のラッキーアイテムは制裁なのだよー(物ですらない)

あ、何で俺が古くさい木製の旧校舎にいるかって?それはねー。



「あの方々に近付くなって何度言えば分かるの!?」

「あんたみたいな平凡が相手されるわけないっていい加減理解しなさいよっ!」

「図々しいのよ平凡のくせに!」



つまりこういう事です。聡い皆さんなら分かりますよねー。



俺がいる窓の真下で今制裁が行われようとしてまーす。暴力はまだふってないから現在進行形でも過去刑でもありませーん。

殴るのかな?蹴るのかな?叩くのかな?押すのかな?物を投げるのかな?ワクワク。

「容姿も財力も頭脳も何も無いくせにあの方々に近づこうだなんて身の程知らずも良いところよね!」

「あの方々に恥ずかしいと思わないの!?」

「そんな事を考える頭もないわけ!?」







…ねぇ何かコイツらの口調オカマっぽくね?え、気のせい?





「消えてよ!アンタが側にいるだけであの方々が汚れるの!」

「邪魔なのよ!死んじゃえよ!」

「もう二度と生徒会様に近づかないで!!」









話を聞くに彼らは生徒会の親衛隊っぽい。

でも親衛隊にしては責める所が一辺等だ。個人の公式に認められていない小さい親衛隊…って所か?
なかなか面白い展開にならないので頭脳は大人にして推理してみる。

よしっ、犯人は親衛隊(オカマ集団)のリーダーぽっい茶髪のやつだ!

麻酔針の出番だ!
ハッΣ(´□`;)小五郎が居ないだと!?
くそっ俺はこの事件を解決出来ないのかっ!

窓枠を悔しそうにダンッと叩く。





まぁ公式の大きい親衛隊はゲスいからなぁ。(オチもなく茶番は終了)


外部に頼んで制裁対象の妹を犯したり、親を誘拐したり、家を放火したり、会社を倒産させたり。

まぁ今のところは人殺しまではしてないみたいだが。

どんどんエスカレートしていってるから
このまま行くと学園の桜の木の下に死体がーなんて事になりかねない。

どうしてそこまで盲目に生徒会の奴等を愛せるのかね?
おじさんには分からないよ。(高2)



というかギャアギャアキャンキャン吠えてる暇があったら大好きな生徒会どもに媚売って近づいた方がよっぽど有意義だと俺は思うけどな。

ここでその平凡君(名前知らない)を制裁しても生徒会は特に被害受けないし。

もし平凡とお友達だとしたら、制裁してる親衛隊が嫌われるだけなのにね。



「さっきから黙ってばっかりじゃない!ちゃんと話聞いてんの!!?」





うえ、男が甲高い声無理に出して気持ち悪。
犬が吠えるみたいな耳障りな声だ。

あんな奴らと同列にされるなんて犬に失礼か。謝れやー。

同列にした俺が謝んなきゃいけないの
か。
全国のワンちゃん、ワンちゃん大好きな人をすみませんでした。(犬に頭を下げる高校2年生)

小柄の化粧をした可愛い系の男が顔を崩して平凡君に怒鳴っている。

あらら勿体ない。
せっかくこの学園で好かれるような顔してんのに。

俺的には男の時点でアウトだが。

というかそもそもお前らが勝手にピーチクパーチク怒鳴ってたからその平凡君(気に入った。)が黙ってたんじゃんwwww

話の腰折ったら怒るくせして大人しく聞いてても怒んのか。理不尽じゃねぇ。
理不尽大好きな俺にしてみれば嬉しいかぎりだが。






「……っお、俺は…っ!ただ生徒会の連中と友達なだけだ…!!」





瞳を揺らしながら、うるさい親衛隊と思しき奴らを平凡君(変わったあだ名に変えようかな?普通すぎて面白くないよね)はじぃと見据える。


へぇ、噂通り勇敢なこって。よく見てみれば若干涙目で手も震えているが親衛隊は気づいていないようだった。

その様子だと無策も良いところだな。
なんの策も無いのに相手を煽るような事言ってどうすんのさ。4対1でどう考えたって不利なのに。



「友達!?嘘つかないでよ!もし友達だとしてもアンタなんかが生徒会様の友人になって良いわけないでしょ!?例え生徒会様が気に入っててもアンタが友達になる事を私達が認めると思ってんの!?」






「…友達になるのに何でお前らの許可がいるんだよ」


ごもっとも。
だけど普通過ぎてつまんなーい。





「ッとにかく生徒会様の周りをうろちょろしないで!!」







バッとここにいる親衛隊(仮)の中でリーダー的な奴が腕を振り上げた。

何故かって?もちろん内股君(平凡君から変更。平凡君はかなりの内股である。)を殴るためダヨ(o^-')b !


ほぉらほら逆効果。

ばぁっかだね、あの子。

てかやっぱりアイツら女子みたいな口調じゃない?オカマじゃない?






内股君は咄嗟に頭を庇うように腕で顔を覆い目を瞑る。



その場になり響いたのはパーンと内股君の頬を叩く渇いた音










ではなく、カシャッとシャッターを切る音。





その音に親衛隊(仮)の連中は振り上げていた手を止め、え?と一様に俺のいる窓を見上げた。

ついでに内股君も。


俺は内股君とバッチリ目が合った。





目と目が合う 瞬間好きだと気づいた〜貴方は今〜♪







ってふざけて脳内で曲流してる場合じゃねぇや。
やっちゃったよ、これ…。

冷や汗を軽くかきながら頬がひきつっているのが分かる。



「……ねぇ君達、さっき撮ったこれ風紀に洩らされたくなかったら、そこで森のクマさん歌って?」


ニヤニヤと笑うと、親衛隊(仮)が俺の手元のスマホを見てさっと青ざめる。


内股君は唖然として固まっている。



今なら逃げられるだろうに。

おつむが弱いのかな?そんな噂は聞いた覚えないけど。




「ほら、早く。バラしちゃうよ?」



なんなら今すぐにでも通報してもいいんだけど、とスマホの画面を操作するように指で弾く。



すると青ざめて固まっていた彼らは顔を見合せたと思うと一斉に駆け出した。



「え、ちょ!?コラァァ!!逃げんなや!」




俺の制止を聞き止める訳もなく、親衛隊(仮)は見えなくなってしまった。







「…あ〜…」


せっかくの楽しみが…と項垂れる。

この画像風紀に売っても良いのかよ。
森のクマさんで許してやるつってんだからやれや躾のなってねぇバカ犬共が。

あー、やさぐれたよ俺の繊細な心がやさぐれたよ。

どうしてくれんだ、今日一日暇じゃねぇか。
これが今週のビッグイベントになるはずだったんだぞ…。






「あ、あの…」


やさぐれて拗ねてる俺に声を掛けたのは内股君だ。

あ、存在忘れてた。

てか何でまだいるの?
さっさと逃げろよ。

内股君は自分の制服の端を握りしめながら俺を見上げる。多分。

俺は目良くないからぼやけてるが、かろうじて何となく表情が伺えるくらいなんだよなぁ。困っちゃう。




「何?」


「っありがとう!」



どうやら礼が言いたかったらしい。

随分すっきりした顔で俺を見ている。あらら俺良いことなんかした覚えはないのに。


「…どーも」


お礼を言われてたので一応反応しておいた俺っていい子。


「あのっ!何で助けてくれたんだ…!?」





………やだよこの子。


目が澄んでキッラキラしてる。


てか敬語で喋れや。
年上って可能性もなきにしもあらずだろが。

てか何で期待したような目でしてんの?
俺それ苦手なんだよ。
俺に何を期待してるのよ君は。

俺はただの普通の愉快犯ですよ?
それを捕まえて何て答えさせたいんだよ君は。

あーやだやだ。俺の脳内が腐敗しちゃうよ綺麗なものは目と身体と精神に毒でーす。



「助けようとなんかしてない」


「でも」

「でもも、何もない。俺はただ携帯でお前が体裁されてるのを撮っただけ」


「でも風紀にバラすって…」


「俺のお願いに従わなかったからね」


そもそも俺は内股君を助けれようとした訳じゃない。
スマホのカメラモードなんて久しぶりに使ったから音消すの忘れてただけ。

あ、でもこれって消せないんだっけ。

いや確か前消せるアプリがあるってニュースでやってたし、いじればどうにでもなんのかな?




つまり偶然助ける形になってしまっただけだ。
シャッター音が鳴らなければ俺はあのまま平凡君と親衛隊(仮)の観察続行していたし、例え親衛隊(仮)の後ろからそいつらの息のかかった図体のデカイ男達が内股君に暴力を振ろうが犯そうが楽しんで見ていただろう。

だって俺ひ弱な一般生徒ですもの。




「じゃあ、内股君。もう用事もなくなったから俺は帰るよ。君もまた絡まれたくら早く帰るんだね」



じゃあね〜とニヤけ顔で手を振っても内股君は俺を見上げたままだ。

内股君が俺をいくら見てようがどうでもいいので立てていた肘を窓から離しその場から去る。

外はもう夕焼けだ。
まだ夏前なので明るいがもう6時だ。

今日の晩御飯何だろう。
俺はお刺身の気分。あっさりした物が食べたいねー。

あ、でも怖い同居人に遅いって怒られるかもな、と考えながら俺は寮へと歩を進めた。








〈プロローグ終了〉
 

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