リボーン

□どうやら敵に恋をしてしまったようです。
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「一体どこに行ったのアイツら」

 ヒバリンは自分の屋敷から少しほど離れた森にいた。その訳は

「見つけたら絶対、吸い殺す…」

 なんて理由だ。負けた事が相当悔しいのか、それともただ初めて自分に勝った相手とまた戦いたいという願望からなのかは分からない。
 「吸い殺す」という言葉と重なって何かが落下するような音が聞こえた。ヒバリンは何事かと音のした方へ向かう。すると、

「……い…っ」

 近づいて行くと誰かの声がした。男にしては甲高い聞き覚えのある声だった。木の影に隠れ様子を伺うと、幼い見覚えのある少年が仰向けに倒れている。
 ヒバリンは少年の方へと歩を進める。近くに立つと少年を見下ろす。

「やっと見つけた」

 そう呟くと肉食動物が獲物を見つけた時のように微笑む。ヒバリンはゆっくりかがみ込むと手を口に近づけた。
 ─息はしてる…。

 目を覚ますかなと少年のお腹を蹴ってみた。唸るだけで一向に瞳は開かない。

「…仕方ないね」

 少年を両手で抱き上げると、森の出口を目指した。





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