オリジナルBL

□退屈症なネコ
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「で、何してたんだ?」

風宇はお刺身を咀嚼しながら、白米を口に放り込む。口の横にご飯粒がついているのはご愛嬌だ、食べ方が汚いわけじゃないのに何故かつくのは風宇の萌えキャラたる所以である。
本人はまったく気づかすに真顔で白米を咀嚼している。この可愛いやつめ。普通の人から見れば無表情で強面で可愛い気のかの字もない風宇だが俺からしたら可愛いハニー(親友)だ。

「人間観察」

ニヤリ、と俺が笑うと顔を歪められた。ひどいなぁ。

「何?俺が他の人を見るのが嫌なの?もー風宇君は焼きもち焼きなんだ・か・らはーと」

するともっと顔を歪められた。強面がもっと怖いことになっていて、ここに本物の一般生徒が居たら((((;゜Д゜)))って感じの顔してるな多分って思う位には怖い。
しかしその顔は俺には通用しない。愛の力でカバーだ。愛の力は偉大なのだ。


あ、俺の態度で勘違いされるといけないから一応言っておくと俺と風宇は親友だ、昔からの腐れ縁で俗に言う幼馴染みである。なのでダーリンやハニーはとかはふざけて言っているだけであるからして恋人とかではない。

というか男同士なので恋人ではないなどとわざわざ否定する必要は普通はないのだが、場所が場所だ。


俺達が通っている城北学園はホモが多い。孤立的な学園内で男同士で恋愛をするのだ。

そして俺もその環境のおかげで同性愛に偏見はない






はずがなかった。
高等部から入ってきた俺はここの悪習に染まる事はなくノーマルで掘る事も掘られる事もなくチェリーボーイだ。
このまま行くと魔法使いの仲間入りだ。それはなんとしてでもお断りしたいのだが、男に初めてを捧げるなんてネコでもタチでももっと御免だ。

そもそも性欲が溜まれば自分の手(あいぼう)を使えばいいのだ。それこそ男子高校生の正しい姿だという物。

男に手を出すなんて論外。
という訳で俺はバリバリに偏見がある。

別に個人の恋愛をどうこう言う訳ではないのだが、例えば友人が当事者になったりして、俺の前でイチャつこうものなら一瞬でそいつを切り捨てる。
自分だけで青春するのは勝手だが、俺を巻き込む、俺にそれを見せつけるならば友人から嫌悪する相手にメタモルフォーゼだ。

でもそれが普通の反応だ。
この学園から出たら普通の感覚では皆そうする。おかしいのは俺ではなく、この学園でありこの環境だ。俺の価値観はそんな環境に染まらなかっただけ。勿論親友の風宇も同じだ。
だから一緒にいるわけだし。
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