私とあなたの証 

□ネックレス...
1ページ/2ページ

私が、6才の時...

親の仕事の都合で、
韓国へと引っ越す事になった。

.




.

とっても、辛かった....。


言葉が分からなくて困惑したし、

同年代の子にいじめられたりした...。


いつも泣いて泣いて...


そんな日々が続いたある時。


私は、あまりの辛さに
自分の家を飛び出した。


向かう先は分からなかったけれど。

とにかく、逃げ出したかったんだ...。


「はぁっ......っ....。」

暫く無我夢中で走って、
辿り着いた場所は


木々に囲まれた神社。


「ひっく....っ..」


何で私だけこんな思いしなきゃいけないの...?


辛いよ....。


悲しいよ....。


いろんな感情が溢れ出してきて
思わず涙が溢れた。

.




.

「どうしたの?」


そんな時、上からかかった誰かの声....。


誰....?


怯えながらも顔をあげた。


そこにいたのは、
背の高いお兄さん。


「こんな所で何してるの?
 ...迷子?」 


キョロキョロと辺りを
見回しながら、私に話しかけるお兄さん。

.


迷子じゃないよ。


.

そう言いたかったけど
涙で声が出なかった。
 

「....どうして泣いてるの?」


幼い私は、目をぎゅっと瞑って
うつ向くばかり。


「泣いてたら、幸せが逃げていっちゃうよ?
 ほら....これあげるから。
 元気だして?」


そういいながら、お兄さんは
私の首になにかを掛けてきた。


「...........?」



「お守りだよ。
 君がもう泣かなくてすむように。
 僕が見守っててあげる。」


そう言って私の頭を撫でてくれた。


「あり..がとう...。」


すっかり泣き止んだ私は
少しだけはにかみながら、
お兄さんを見つめた。


「僕、もう行かなきゃ...。
 じゃあね...。
 もう泣いちゃダメだよ?」


そう言い残して走り去ってしまったお兄さん。


「あ.....。」


名前....聞けなかった....。



もしかしたら、私は。

既にこの時から、あなたに
恋心をいだいていたのかもしれない...。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ