私とあなたの証
□ネックレス...
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私が、6才の時...
親の仕事の都合で、
韓国へと引っ越す事になった。
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とっても、辛かった....。
言葉が分からなくて困惑したし、
同年代の子にいじめられたりした...。
いつも泣いて泣いて...
そんな日々が続いたある時。
私は、あまりの辛さに
自分の家を飛び出した。
向かう先は分からなかったけれど。
とにかく、逃げ出したかったんだ...。
「はぁっ......っ....。」
暫く無我夢中で走って、
辿り着いた場所は
木々に囲まれた神社。
「ひっく....っ..」
何で私だけこんな思いしなきゃいけないの...?
辛いよ....。
悲しいよ....。
いろんな感情が溢れ出してきて
思わず涙が溢れた。
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「どうしたの?」
そんな時、上からかかった誰かの声....。
誰....?
怯えながらも顔をあげた。
そこにいたのは、
背の高いお兄さん。
「こんな所で何してるの?
...迷子?」
キョロキョロと辺りを
見回しながら、私に話しかけるお兄さん。
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迷子じゃないよ。
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そう言いたかったけど
涙で声が出なかった。
「....どうして泣いてるの?」
幼い私は、目をぎゅっと瞑って
うつ向くばかり。
「泣いてたら、幸せが逃げていっちゃうよ?
ほら....これあげるから。
元気だして?」
そういいながら、お兄さんは
私の首になにかを掛けてきた。
「...........?」
「お守りだよ。
君がもう泣かなくてすむように。
僕が見守っててあげる。」
そう言って私の頭を撫でてくれた。
「あり..がとう...。」
すっかり泣き止んだ私は
少しだけはにかみながら、
お兄さんを見つめた。
「僕、もう行かなきゃ...。
じゃあね...。
もう泣いちゃダメだよ?」
そう言い残して走り去ってしまったお兄さん。
「あ.....。」
名前....聞けなかった....。
もしかしたら、私は。
既にこの時から、あなたに
恋心をいだいていたのかもしれない...。