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□分かり合う事
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お風呂も沸いたし。
「ラレス、行こう?」
「おう」
「あんま長く入るなよー?」
「分かってるよ、バクラ」
だって上せたら、カッコ悪いし。
「………………」
?どうしたんだろう、ラレス。
もしかして、お風呂嫌いだった………?




「僕が先に湯船に浸かってるから、先に洗ってて良いよ」
「ああ………」
何だか、元気がないラレス。どうしたんだろう……。
無言で髪を洗うラレス。僕は、声もかけられないから、ヒヨコで遊んでいる。まあ、浮かべているだけ、だけど。
「………………なあ、了」
「ん?」
「俺、お前に言いたいことがある………」
「何?」
「………………」
身体を洗いながら言って来たけど、その後は、何も言わない。本当、どうしたの?
そして、泡を流してから、僕の方を見つめてきた。
「俺、お前の事が好きだ」
「………………えーと、それは家族として?だよね」
「家族………。いや、それ以上だ」
「それ以上って………………」
ラレスは僕が入っている湯船に入って来た。慌てて立ち上がって、出ようとした。けど、腕を掴まれた。
「………なに?」
「分かってんだろ?」
「分かるわけないよ!」
寧ろ分かりたくない!
「俺の目を逸らすな!」
「だって………………」
「了、俺はお前に拾われて、今がある。今の俺が居る。了は、俺にいろんな事を教えてくれた。俺にいろいろ与えてくれた。そんな了に俺は、………………。この気持ちが何なのか、俺はテレビで知った。恋だって事を。そしてその恋ってやつは、その好きな相手に伝える事が一番だって!」
あぁもう!これだからテレビは嫌い!変な知識を人間に植え付けるから………!って、君は………。
「もう一度言う。俺は了の事が好きだ」
「ラレス………………」
「了はどうなんだ?俺の事」
「どうって………」

そりゃ、好きだよ?誰よりも好きだよ?君は僕の、一番大切な人になっていたんだから。けど………………。

「好きだけど、それ以上の事は、望めないよ」
「了………………。あいつのせいか?バクラの存在か?」
「えっ………」
「バクラの方が大事だって言うのか?俺より記憶もあって、全てを知っている、あいつの方が良いって言うのかよ?!」
がしっと肩を掴まれた。
「ラ、レス………」
「了………」
「!んんっ………」
なっ、何する………!まさかキスされるとは、思ってもいなかった。
「放して!」
「っ!」
僕はラレスを突き飛ばした。
「僕は君と、こんな事はしたくない!したくないんだ………………」
「何で、だよ」
「だって、僕達、男同士だよ?無茶に決まってる………」
「それがどうした!人間って、愛があれば、愛する気持ちがあれば、どんな壁だって越えられるんじゃねーのか?テレビでも言ってたぜ?」
もう君は、変な知識ばかり得るよね!
「………………」
僕が、彼から逃げてたら、駄目だよね。良く考えたら。記憶も、帰る場所さえなかった君を、放っては置けない。だから連れて来て、一緒に暮らした。
だったら、分かり合う事も、大切な事、だよね………?
「一回だけなら………」
「了………」
「僕だって、知識が無い訳じゃない。男同士でも、何処を使うかぐらい知ってるし………。それに、僕だってラレスの事、本当に好きだよ。家族以上に。ずっと一緒に居たい」
「了!!」
「わっ!」
僕を引き寄せた、かと思ったら、思いっ切り抱き着いてきた。
「ありがとう、了………」
「………………うん」
僕らはそのまま、深い口づけを交わした。
「んんぅ………」
ラレス、本当に僕が初めてだよね?やたらとキスが、上手いと言うか………。
「はぁ………はぁ………」
やっと離してくれたと思ったら、僕に後ろを向けとか言って来たし。えぇ!僕が、入れられるの………?
「なあ、シャンプーって使っていいか?」
「………………はぁ。良いよ」
「?おう………」
駄目だ、今更僕がやる!何て言い出せないか………。仕方ない。我慢しよう。と、そう思っていたら、ラレスは僕の穴に指を入れてきた。
「いった………!」
「わっ!すまねえ………!シャンプー足りなかったかな………」
そうじゃないよ。僕だって初めてだし………。
「大丈夫だから。慣らしていいよ」
「あっあぁ………」
何だかんだ言って、僕も甘いよな………。こんな行為を許すなんて。
「あっぁ、ぁ………」
「(!やべぇ、すっげー色っぽい。AVって奴を見たけど、あんなのじゃ全然興奮とかしなかったけど、やっぱ好きな奴が相手だと、違うんだな………。)了、もう少し指を増やすぜ?」
「うっうん………。あっ!あぁ………………」
「(本当に、可愛いし………。絶対バクラには渡すか)」
やっぱり、こんなに痛いんだね………。けど、我慢しないと………!
「………………もう、大丈夫だろ。これぐらい解れれば」
「え、もう………?」
「良いだろう?我慢出来ねえよ」
「わっ分かったよ………」
そして、僕の穴にラレスが当てて来た。あれが入ると分かっていても、痛いんだろうな………。
「ぐっ………!」
「了、力、抜けって………」
「抜いてる………!」
やっぱり、痛い………!良く女の子って、これを我慢できるよね………。って、男は普通、こんな所を使わないよね。
「はぁっ………。やっと、全部入ったな………。了?」
「な………に………?」
「………何でもねえ」

それからラレスは激しく動き、僕の中に欲望を吐き出した。僕はその時、声を抑えた。だって、ね………?






「おいおい、二人とも。遅すぎじゃねーか?」
「ごめん、バクラ………」
「………………」
ラレスは、僕の部屋で、反省してる。そりゃ、そうだよね。
「………俺様は後で入るぜ。風呂は嫌いだ」
「あ、分かった」
やっぱり、バクラだから、勘付いて………?あはは………。


ったく、今日は何だか疲れた一日だったな………。





END

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