Memory

□Lamplight-ともしび-
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暑くて目が覚めた。
宿主がエアコンをタイマーにしてやがったらしく、エアコンが切れている。
まだ6時………。勿論バクラもまだ起きてねえ。
汗掻いたし、シャワー浴びるか。



お湯を浴びる。
昔だったら、俺様は宿主の体を借りて浴びていた。何をするんでも、宿主の体を借りて行っていた。けど今では、自分の体で、様々な事が出来る。
今の方が、そりゃ良い。けど、何故だろう。あの頃が懐かしい。

自分の体。
改めて見る。白く、宿主に似た顔、髪。やっぱり、宿主から出来たんだな。
俺様も望んだ事、か。
手に入れた体は、宿主を触れたり、宿主と一緒に出掛ける事だって可能。
人間、か。
俺様、人間として生きていかね-といけねーんだよな。ちょっと面倒、とか思う事もあるけどな。
とっとと洗っちまうか。




シャワーを浴び終わって、リビングに行って見ると、もうバクラの野郎、起きてやがる。
「………」
「おうおはよう。やっぱ、浴びてたのか」
「あぁ………」
「?どうした?」
朝飯をテキパキと準備している。随分慣れやがったな。
「いつも、そうしてるのか?」
「いや、たまに。昨日は了が起きなかったから、お前が作ったろ?」
けど俺様の朝飯を作ったのは、バクラだった。もしかして、眠れねーのか?
「あーあ、髪、まだちゃんと拭き取れてねえだろ。床に垂れてるぜ」
「あ、………」
慌てて床を、髪を拭いていたタオルで拭く。ったく、宿主に怒られちまう。
「ソファーに行きな。俺様が拭いてやる」
「………」
黙って従ったら、本気でやりやがった。
「………………なげーな」
「そうか?」
「ああ。了よりなげーぞ」
「………」
宿主より、長い、か。そんな事もあるんだな。
「ま、長い方が、似合ってると思うぜ?」
「………フンッ」
黙って拭きやがれ!そうは言えなかった。
コイツ、こんなに優しかったんだな。



「もう良い。お前は朝飯作って来い」
「……おう」
後はドライヤーで乾かさねーと………。
ってか、まだ宿主は起きねーのか……。
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