月花物語

□九、二条城警護
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当日。


千鶴があっちへ走りこっちて走りとパタパタ足を動かしているそのすぐ近くで、和音も同じようにパタパタしていた。


警備の交代を伝えたり、守備配置の変更を伝えたり、隊士達に水を持って行ったり、眠そうな人を起こしたり。


殆ど千鶴が働いてくれているのだが、和音も彼女の守り役をしっかり務めつつ雑務をこなしていた。


「千鶴、そろそろ休め。次の交代なら私が伝える」
「ううん、大丈夫。私これくらいしか皆さんの役に立てないから、今できることをちゃんとやらないと」
「……そ、か。でも何かあったらすぐ私に言えよ。隊士は忙しいから」
「うん。ありがとう和音ちゃん」








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そして、和音の『勘』は当たり。

その男は、現れた。
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