AMNESIA

□BADENDのお姫様
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「ずっと、一緒だよ」


細く、華奢な身体を抱きしめる。
潰れてしまいそうなほどの力をこめて

何も抵抗のない反応を見ているといじらしい


「・・っぃ」


「あぁ、痛かった?」

ごめんねと耳元でつぶやく。

前はもっと違う反応だった。
耳を真っ赤にして、縮こまるマイが好きだった。


・・・もちろん今も好きだけどね?




「マイ、俺の名前を呼んで」

「・・」

「マイ」



「トぉ・・・・ま」


「うん、合格
 よく出来ました」



そういってマイの頭をなでる
小さい頃はよくやったなぁ・・


そんな事を思いながらマイを眺める


どこを見ているんだろう
何を考えているんだろう

昔はわかったのだ。

それが今はわからない。


自らの行為かと思わず自嘲する



「ねぇ、マイ
お前は寒くもない暑くもない
お前は不幸じゃないよな?
お前を傷つけるものなんか何もないんだから」



もう一度抱きしめる

あぁ、今度は骨が軋んでしまった



「お前は俺のものなんだから」

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