CLOCK ZERO

□忠誠心に誓いを
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ある日の午後。

円と撫子は政府の建物のなかにある、ある部屋にいた。

「ねぇ円、さっきから何をしているの?」

真剣な顔をしながら作業をしている円を見て、撫子は質問をした


「何って、決まってるでしょ。てゆーか見ればわかるでしょ。
アクセサリーを作ってるんですよ」


もちろん撫子とて、円がアクセサリーを作っているのはわかっている。
だが、今聞きたいのはそういうことではない



「いや、そうじゃなくて私の部屋で何で作ってるのって事よ」




1時間ほど前のことだ

暇をもてあました撫子が、外へ出ようとしたところへ円が現れた


部屋を貸してほしいというので許可をしたが、自分のいないところで部屋に入られるのは気分が悪い

そこで撫子の部屋に円と2人、過ごすことになったのだ



撫子の部屋と言っても、ある意味では「鳥籠」に過ぎない。



この国の王による、王のための鳥籠。

そこに誰かの感情が入っているわけでもない
強いて言うなら王の自己満足だ。



「相変わらず、きれいね」


「当然でしょ、誰が作ってると思うんですが
まぁ、あくまで個人的な趣味ですがね」


「趣味がここまできれいにいかないわよ・・」



それにしても美しい。
ターコイズブルーのビーズがとてもよくかもし出されている。



「ねぇ、これを作ったらどうするの?」

「・・は?そんなのプレゼントに決まってるでしょ」


・・・
円は確かに異性からの注目を浴びる。

しなやかな身体、
気持ちのよさそうな白いもふもふ、
軽い身のこなし・・

どれをとっても、そこらの男とは格が違う



(ほかの女性にプレゼントかしら・・
そういえばこの間アクセサリーをもらってた・・
そのお返しかしら?)



一人でモツモツと考えていると、
円が突然笑い出した
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