CLOCK ZERO
□神よ、あなたは不能だ
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「終夜、いい所に居たわね。」
「ぬ?撫子ではないか。
私に何か用でもあるのか?」
いかにも古風な喋り方をしているのは、撫子のひとつ下である終夜だ。
小学5年生とは思えないほどの大人っぽさ、美景・・・
そんなものを兼ね備えている彼だったが、生憎神様というものは必ずどこかに欠点をつけさせたがる。
彼の場合は独特な話の切り替えし、殿様喋り、マイペースすぎるところ・・
などと、普通の小学生には理解されにくいような性格であった。
「用って言うか・・終夜が帰るところを見かけたから声をかけたのよ。
途中まで一緒に帰らない??」
「ふむ、これは<放課後でぇと>と言うものか
前に書物で読んだことがある。
この場合男は女子の手をにぎり、道路を歩くときは女子を車に轢かれぬよう・・」
「ちょ、ちょっと待って。
放課後デートとはまた違うわ。ただ一緒に帰るだけよ。
今日は理一郎もいないし、最近日が暮れるの早いから・・・っ」
しまった、喋りすぎたと撫子は後悔した。
あたりが暗くなり一人で帰るのを怖がっていると思われたくなかったのだ。
「それはいかん!!女子が夜道を一人で歩くではないぞ!!
そうとなれば私の出番だな。
よかろう、曲者が現れた際には私の後ろへ隠れるがいい」
(話聞いてなかったわね・・)
「えぇ、ありがとう」