薄桜鬼
□守るべきもの2
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原田さんと最後に会った日から1週間がたった。
土方さんが言っていたとおり、私にも今日羅刹隊としての仕事が任される。
「雪村くん、今回羅刹隊として出向するのは気が狂っていない比較的成功と呼べる羅刹たちです。
しかし油断は禁物。
十分に気をつけてください」
山南さんが私に注意をしてくる。
今回の初仕事の内容はこうだ。
「夜の巡回を行い、長州藩の不逞浪士を切る」
幕府から裏で頼まれた仕事だ。
断るわけにもいかない
もちろん沖田さんや斉藤さんが行っても何ら問題はないのだが、
幕府側から羅刹の力を発揮されるため、羅刹隊を活用することを命じられている
「雪村くんも羅刹隊に??」
一人の青年が話しかけてくる
彼は新撰組を脱走しようとしたところ土方さんに見つかり、
切腹か変若水を飲むかを強制させられた
少しでも生きる可能性のある方を選んだのだ。
「俺は生きているんだろうか。」
「え?」
「確かに俺は今生きている。
それは間違いのないことだ。」
「・・」
「だが、俺の目指した武士というのはこのような状況になっても
生きていると言うのだろうか」
自問自答するような問いに答えられるわけがない。
みんな何かしらは心に抱えているのだ。
「おっと、すまない
愚痴を言いたかったわけではないんだ。
それでは仕事、がんばろうな」