薄桜鬼

□守るべきもの4
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「今・・なんて・・・」

幹部の人たちが広間に集まっている。

近藤さんに

「広間で大切な話がある」


と言われ、自分の身体を見られたくないと訴えたがどうしても来てほしいと言われ訪れた


やはり予想通りの顔をされてしまう。



「言ったとおりだ。
お前は、新撰組を離れて松本先生と共に江戸へ行け」


「やっ、いやです!!!!」


どうしてそんな事を言うのだろう。
羅刹となり、もはや人を殺す道具としてしか生きられない自分は新撰組に要らないのか。




「私は・・まだ戦えます!!
今は戦えなくてもまた人を殺せる日が・・」


「千鶴!!!」


びくっと身体を小さくする。

私の名前を大声で呼んだのは、原田さんだった。



「それ以上言ってみろ。
俺は力ずくでもお前を黙らせるぞ」


「っ!」




「雪村君、君は新撰組にとっていらない存在になったわけじゃない。
君がここにいたら、君のその心の重荷は取れないんだ」


「そんなこと・・」

何故、あの優しい近藤さんがあんな目で私を見るのか。



「風邪、ひくんじゃねぇぞ」

何故、土方さんが私の心配をするのか。



「まぁ役立たずっちゃ役立たずだけど、今以上に役立たずになりたくなかったら・・ね?」


何故、沖田さんが優しいのか。




「雪村、お前はまっすぐな心を持っている。
その清い魂を、ここで終わらせてはいけない」

何故、斉藤さんが最後の終わりの言葉のようなことを言うのか。



「千鶴・・・元気でな」

何故、平助君が泣きそうな顔で告げるのか。



「千鶴ちゃんよ、君と俺らはいつかまた会える。だからその日までその細っこい身体を大きくしねぇとな」

何故、永倉さんは泣いているのか。



そして・・




「さよならだ、千鶴」


最後に言ったのは、私が一番愛した人でした。
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