CLOCK ZERO

□変わらぬものを
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「ねぇ理一郎」


「今度は何だよ」



「今年の夏は一緒にお祭りに行こうね」


「CZメンバーで行くんじゃないのか?」


少し不機嫌そうな顔をする理一郎に驚く
何故CZの話が出てくるのだろうか


「確かにCZメンバーは素敵だけど、
年に一度のお祭りは理一郎と行きたいのよ」



また理一郎が無言になる
今日の理一郎は一段と理解できない。




「・・・・カキ氷は、奢らないからな」


ふふっと笑ってしまう。


「お前は変わらないな」


「え、何か言った?」


「何も言ってない
さっさと帰るぞ。」



「あっ、待ってよ!!」




理一郎が何をつぶやいたかなんてわからない
だけど、今はそんなことどうでもいいのだ




「来年も、再来年も一緒に行こうね」



すると理一郎は珍しく笑ってうなずいた


「お前が飽きるまで、ずっと付き合ってやるよ」



「あら、じゃあよろしくね」


夕焼けによって作られた二つの小さな影

赤と黒が混じった影



互いに固執するわけではなく、
執着するわけでもない

あいまいな関係だけど、決して壊れることはないだろう



They surely belived immortality.
(彼らは確かに、永遠を信じていた)
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