薄桜鬼

□守るべきもの
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千鶴目線です


晴れやかだった。

これであの人たちを守ることができる。

もう守られているだけの存在ではない。



そう考えただけで胸が晴れやかになった。

「お昼は仕事できないけど、夜の仕事は大丈夫だよね」

そう一人で呟いてあの薬を飲んだ。



「あなたは、新撰組の重荷でしかない。」

山南さんに言われた言葉が未だに心をえぐる。


初めからそうだった。



誰からも必要とされなかった。
ただ、父様を探しに来ただけだった。

痛い、苦しい、辛い

そんな負の連鎖の薬だけど、今までの自分にとっては何の意味もない。

ただ、少しだけ罪悪感があるとすれば・・


「原田さん・・・・・・」



自分を、守ってくれると言った人。

自分が、初めて愛した人。



そんな人ともう、恋仲になりたいなんて夢は叶わないけど
自分のために血を流してなんかほしくない。

飲んだ後の事はあまり覚えていない


覚えているのは沖田さんと斉藤さんが初めに来て、驚いた顔をしていた事だ



沖田さん、どうして驚くの?

これで私は役立たずの小娘なんかじゃないのに。


斉藤さん、どうして悲しむの?

今まで斉藤さんの仲間だって、羅刹になってきたのに。


わからない、
どうしてあんな顔をされるのかわからない


あぁ、また決断を間違えちゃったのかな・・

もしかしたら、殺されるのかな。

そんなことを考えていたら意識が急になくなった。




お 願 い
 私 の 居 場 所 を 教 え て く だ さ い
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