君の音 ブック

□01.ブルーの指輪を残して
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大きな手が私を撫でている。

あなたは誰?

どうして、そんなに優しく私の頭をなでるの?





『………ん、』




ふわりと重たいまぶたを持ち上げる。
瞳いっぱいに映る景色は真っ暗だった。

夜、か。

そう理解するのに時間はかからなかった。



辺りを見渡せば無造作に転がる指輪が目に入った。




嗚呼、そうだ。
あの少年は誰なのだろう。

メガネをかけた、あの知的で優しそうな少年。

また会えるだろうか。また病院に現れるだろうか。
彼が病院へまた来としても会える可能性はかなり低い。
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