無気力少女の、恋物語。
□02.緑間くんの「自称相棒」さん
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「あ、こっちこっち天野さん」
『高尾くん…に、緑間くん?』
昼休み。約束通りの場所に行けばそこには高尾くんと緑間くんの姿があった。
「高尾、これはどういうことなのだよ」
「まーまー、おいついて真ちゃん」
『?』
どうやら話のながれてきに緑間くんは私が来ることを知らなかったらしい。
高尾くんは一体何がしたいのだろうか?
「真ちゃんを今日から一週間天野さんの家庭教師に命ずる!」
は?
高尾くんは何を言っているの?
そう思っているのは私だけじゃないようで緑間くんも驚いた顔をしていた。
「高尾、どういうことなのだよ」
「だから、今日から一週間真ちゃんが家庭教師になるの」
「意味がわからないのだよ」
「今日の放課後からね。ちなみに宮地先輩にはもう許可取っておいたから」
語尾にハートがつきそうなくらい上機嫌の高尾くんと、
誰かを呪いそうな勢いで不機嫌な緑間くん。
『あの…、高尾くん。私、別に家庭教師なんていらないよ?』
遠慮気味にそう告げれば、高尾くんがニッコリと笑う。
「天野さん、そういうのは赤点をま逃れてから言おうね。じゃ、そういうことだから」
「……高尾」
「異議は認めないぜ?」
「…………わかったのだよ」
あれ、なんだか私バカにされたような。気のせいかしら。
そんなことを思っていれば、緑間くんが私のほうをむいてこう告げたのだった。
「今日から一週間よろしく頼む。ちなみに、俺が家庭教師になるからには100点以外認めないのだよ」
ポカンとする私を横目に高尾くんが笑った気がした。
緑間くんの「自称相棒」さん
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