無気力少女の、恋物語。

□03.スパルタ家庭教師
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やがて、一時間が経過した。



「休憩するか?」

『緑間くんのお好きにどうぞ。先生』

「………からかうな」



ふと、寂しそうな顔で緑間くんが体育館のほうを見る。

部活に行きたいんだなーと感じて、なんだか胸が痛くなった。



『秀徳のバスケって、最近変わったよね』

「ほう。なぜ、そう思う」

『え、と…………なんとなく』

「天野はバスケをしていたのか?」

『えっ…………』




じいっと射抜くよな緑間くんの視線。


どうして、そんなにまっすぐに私を見るの。
どうして、そんな興味ありそうな目で私を見るの。




『バスケは、してなかったよ』

「…………そうか。…さ、勉強を開始するのだよ」

『え』

「さっきから同じページで止まってるのは知っているのだよ。」

『う』

「それでは明日の小テストの範囲まで終わらん。さっさとしないと二時間では終わらないのだよ」

『頑張りマス』

「分かっているのならさっさとしろ」

『はい……』




今日の教訓。緑間くんはスパルタでした。





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