無気力少女の、恋物語。

□04.嘘つきな私とバスケ部
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緑間くんに教えてもらった次の日の数学の小テストは満点だった。

後ろの席の緑間くんにその答案を見せれば緑間くんは無愛想にこう言った




「天野もやればできるのだよ」




その言葉がくすぐったくて、私は小さく「ありがとう」とつぶやいた。












◇緑間視点




「真ちゃん」

「なんだ、高尾」

「天野さん、テスト満点だったじゃん。真ちゃんのおかげだぜ、あれ」

「黙るのだよ。あれはあいつの実力なのだよ」

「ふーん、ま、いいけど?それで、どう?」

「何がなのだよ」



俺がそう問いかければ高尾は「わかってるくせに」と言って笑う。

全く、いけすかない奴なのだよ。




「昨日バスケ部だったかどうか問いかけたが、バスケはしてないと言われたのだよ」

「へー、嘘つくような子に見えないのに」

「俺には関係ない」

「またまたー、気にしてるくせに。」




帝光中学のとき、たまたま見た女子のバスケの試合に天野が出場していた。


なんて楽しそうなプレーする選手なのかと思った。
俺とは、正反対な奴だと。


なのに、あいつは今バスケ部に所属せず、むしろバスケを避けているように見える。

あんなに、楽しそうにバスケをしていたのに。





「高尾は、バスケをこの先嫌いになるか?」

「はー?そんなん、一回好きになったもんはそう簡単に嫌いになれねぇって」

「ふん、当たり前なのだよ」





天野、お前はどうしてそんなに辛そうにバスケを避ける?
黒子に負けて、俺にもやっとバスケの楽しさが分かったというのに。

中学時代、楽しそうにプレーするお前に少しあこがれも抱いたというのに。





俺は、知りたいのだよ。





嘘つきな私とバスケ部





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