ハトアリ長編夢

□第二章
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〜第二章〜 【まずは遊園地】




『遊園地が領地争いって何かすごい世界だねぇ』


「いや、それよりもナナシノがこの世界のこと何も知らんことの方が私はビックリだったよ・・・まさかオープニングでやめたとは思ってなかった」


『いやー、どうも肌に合わんくて』


「化粧品か!」



てくてく。遊園地までの道を歩いていく。


まずは三勢力の中でももっとも安全そうな場所に行くことにした。


ユリウスに道を教えてもらったし、ゴンベイがいるから安心・・・・・ と、思ってたのに・・・・。




『どこだここ?』



僕は今道なき道を歩いている(あ、何か言い方かっこ良くね?)。


自他共に認める方向音痴である僕ははぐれないようにゴンベイの後をしっかりついてきたはずだったんだが・・・少し珍しい草花に目をとられている間にまわりは木だらけだ。



『もぉぉ、ゴンベイったらはぐれて・・・子供じゃないんだから』



なぁんて独り言を言ってみたところで迷子になったのは明らか自分だし、何だかむなしい。



『そうだ、寂しいときは唄を歌おう。』



寂しい気持ちを押し込めて唄を歌ってみる。



『い〜つまでも〜かわるぅ〜ことなくぅ〜とぉ〜もだちでぇ〜いよぉ〜♪』



・・・あれ?さらに寂しさが増したような・・・ これエヴ○の悲しいシーンの曲じゃん!


寂しさに怖さがミックスされてなんか恐ろしいんですけどー!!



「あんた、何してんの?」


『ぎゃぁぁ!!!』



ビクビクしながら歩いてたら突然声をかけられた。



「色気のない声」



振り向いても誰もいない・・・ でも、クスクスと笑う声だけがどこからか聞こえる。



『・・・ゆ・・・幽霊か?・・・無理無理―!!』


「違う違う、上だよ。」



よく聞くとその声は頭上から聞こえてくる。 恐る恐る上を見上げてみると、



『しましまマフラー?』



目に飛び込んできたのは派手なピンクと紫のしましまマフラー。


さらに上を見るとなかなか刺激的な格好をした格好いい猫耳お兄さんが木の幹に座っている。


ここは色んな人がいるんだなぁ。


しましまマフラーって・・・マフラーにしてはでかくない? しかもその格好。暑いからなの?でもマフラーだし寒いの?それともお洒落なの?


と、心の中で突っ込んでいたらさらに猫耳お兄さんは問いかけてきた。



「ねぇ、あんたここらへんで見かけない顔だけど何してんの?」


『友達と遊園地に向かってる途中だったんだ。友達が迷子になって(嘘)探してたんだけど、黒髪ロングの美人さん見なかった?』


「黒髪ロングの美人さんねぇ・・・」



んー・・・っと考える素振りを見せたものの、猫耳お兄さんはすぐに首を振ってみせた。



「それよりもさ、何かあんたいい匂いするね。余所者?」



いつのまにかそばに立ってた猫耳お兄さんは僕の首筋に顔を埋めてふんかふんか匂いを嗅いでいる。



『(近っっ!!)・・・あぁ、そういえばユリウスがそんなこと言ってたような。』



あまりの近さに若干顔を反らしながら答える。



「ふーん。俺ボリス=エレイ。あんたの名前は?」


『僕はナナシノ。』


「ナナシノね。俺あんたのこと気にいっちゃった。これからよろしくな。」


『え・・・あぁよろしくね。』



そう言うとボリスは少し歩いたところで振り返り、


「そういえば、遊園地に行きたかったんだよな?俺、あそこの従業員だし連れてってやるよ。」


と優しい言葉をかけてくれた。



『(何ていいやつなんだ!!)よろしくお願いします♪』



そうして、しばらくボリスと喋りながら歩いていくと少し開けた場所に出た。





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