Above the Clouds vol.2

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ナギが戻ると、リビングや寝室にもルイの姿がなかった。浴室に向かうと明かりが付いてきて、シャワーの音が聞こえてきた。
―ようやく動けるようになったって感じか。それより、ドアを開けたらルイが全裸で・・って、何を考えてるんだ俺は!―
自分の下心のだらしなさにナギは苛立ちを感じてから、浴室のドアをノックした。
「ルイ、戻ったぞ。東の神が、クレアを取り込んだのは良き行いだったって言ってたぜ」
「お帰りなさい、ナギ。有難う御座います。ごめんなさい、急いで出ますね」
湯船にすら使っていないだろうルイは、ナギを気遣って急いでシャワーを止める。
”おかえりなさい”と言って貰えてナギは心底嬉しかったが、それと同時にルイに気遣わせてしまったことに対して焦る。
「焦らなくていいから、ゆっくり入ってろよ。リビングで待ってるから」
「お気遣いをして頂き、有難う御座います」
「じゃ、待ってるからな」
「ええ」
ルイの声を確認した後、ナギはリビングに戻ってソファに座った。
―明日、ルイとペアリングを買うのか・・。ふへへ・・―
ナギは初めて嵌めるペアリングに、テンションが上がり表情が完全にニヤけて鼻の下が伸びていた。
―やっべ!何処で指輪を買おうか決めねぇと!相手は元貴族様のルイだし、その辺のアクセサリー屋なんてわけにはいかねぇよなぁ・・。
俺はブランドなんか全然知らねぇし、片っ端から良さそうなのを調べるしかねぇな・・―
そう思いながら、ナギは掌から携帯を出すと、色んな言語で検索をし始めた。
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