Above the Clouds vol.2

□2-7
2ページ/4ページ

真顔でナギが検索をして10分後。ルイが風呂から上がってパジャマ姿でナギの隣に腰掛けた。ナギは咄嗟に携帯を消す。
「ナギのお言葉に甘えて、ゆっくり入らせて頂きました。お陰様で大分、体調も戻ったようです」
風呂に上がりたてなので、まだ頬が少し火照っているルイに、ナギは見惚れてしまった。
「そ・・そうか・・。じゃ、俺は風呂入ってくる。疲れてるだろうし、眠かったら先に寝て良いからな?」
このまま一緒にいると、ルイを押し倒してしまいそうな気がして、ナギはソファから立ち上がろうとすると、ルイが腕を掴んだ。
「ルイ・・?」
「あの・・先ほど、出来ませんでしたので・・1回で良いです・・キスをして下さい・・」
赤面させ、恥ずかしそうに言うルイに、ナギは一気に下半身が熱くなったのを感じた。
―何だろうな、ルイがキスって言葉を使うと何かアダルトに聞こえると言うか何と言うか・・―
「あ・・嗚呼・・」
ナギは心臓の鼓動が脳にまで響いているほど緊張した面持ちでルイを優しく抱きしめると優しく口付けた。
暫く角度を変えながらキスをした後、ナギはルイの口内に舌を挿入させると、ルイもそれに応える。
実はナギは真夜中、毎週金曜日にソープへ通っていたのだが、どのソープ嬢よりも巧みなキスであった。
父親の"調教"と強姦によって身についてしまったものだろう。分かってはいるが、それでもナギは少し悲しくなった。
「ん・・」
ルイがつい、声が漏れてしまうとナギは慌てて唇を離した。
―おい・・何だよ、あの声・・!エロすぎだって・・!これ以上はヤバイ・・!―
「・・風呂、入ってくるわ・・」
「ごめんなさい・・」
ルイは頭を深く下げ、切なげな声で謝った。
「何でお前が謝るんだよ?」
「いえ・・。"声"を出してしまったから、引いてしまったのですよね・・?」
それを聞いて、ナギは呆れた表情を浮かべて大きなため息をついた。
「お前は本当に分かってないな!お前の声がエロすぎて理性が治まらなくなりそうだったからだよ!」
「・・・・」
「先に寝てて良いからよ」
ナギはそう言いながら立ち上がると、そのまま浴室へ行ってしまった。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ