Above the Clouds 短編集

□同棲<後編>
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ナギは、上下黒のジャージを着てランニングマシンの速度レベルを最初からMAXにさせたまま走っていた。丁度、30分が経過したところだ。
―くっそ・・!少し疲れてきた・・!たった30分ぐらい、もっと余裕を持たさねぇと!長期戦になったときに持久力が持たねぇ!―
そう思っていると、後ろからドアが閉まった音がした。
ナギは視線だけ後ろを向けると、そこには白のTシャツに、黄色のハーフパンツを穿いたルイが、ナギの隣にあるもう1台のランニングマシンに向かって歩いてきていた。
ルイのハーフのジャージから見える白い生足にナギは目が行ってしまった。
「ルイ・・報告書は・・終わったのか・・?」
息切れしながらナギが尋ねると、ルイは笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、お陰様で終わりましたよ。僕も一緒に走って良いですか?」
ルイの質問にナギは頷いた。ルイも速度レベルをMAXにさせて走り出す。ルイも持久力強化のために走っているだけだというのに、隣にルイが来てしまったことでナギの集中力が途切れてくる。
汗を流し、息が上がってくるルイを、どうしてもチラ見してしまうのだ。
―集中させるためにマシンごとルイから遠い位置に移動させるのがベストなのは分かってるんだが、パートナーがルイだからな・・。
こんなんで、集中力が途切れちゃマズイ・・!こういうのも慣れないといけねぇんだな―

ナギはそう思ってからランニングマシンで走って更に30分後。
ルイの汗がTシャツに染み付いてきた。Tシャツの色が白故に、汗が流れて濡れてしまった乳首がくっきりと透けていた。
ナギはそれに気付いてしまい、固唾を呑み込んだ瞬間、一瞬で集中力が完全に途切れてランニングマシンから落ちてしまった。
鈍い音を立てて頭をぶつける。それに気付いたルイは慌てて自分のランニングマシンを止めると、少し足をよろめかせながらナギに近づいた。
「ナギ!大丈夫ですか?!」
「あ・・嗚呼、悪い・・。一瞬、集中力が切れちまった・・。俺も、まだまだ・・」
ナギは、ルイを直視すると、先ほどまでは彼が隣にいたため、横向きしか見えていなかったが、正面から見るとルイのTシャツの半分ぐらいの面積が汗で染み付いており、
両方の乳首が透けていると言う、かなりセクシーな状態になっていた。ナギは話すことも忘れて固唾を呑み、自身が熱くなったのを感じた。
「あのよ・・ルイ・・」
「何ですか?」
「第三者が居る場所で運動する時は、淡い色のTシャツは止めてくれ・・」
―生足はまだ耐えられるから、ハーパンのことを言うのは止めとこう―
ナギは、自分が耐えられる程度のものは見ていたいので、結局こんな結論に至った。
「分かりました。しかし、理由を教えて頂けませんか?」
何故、そう言われたのかも分かっていないルイは取り合えず了承したが、やはり疑問に感じたのでそう質問した。
ナギは本当に自分のことを分かってないと思いながら、ルイの汗で透けた乳首を軽く摘む。
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