Each life

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始業式も無事終了し、担任からの連絡事項を聞いた後、
臨也の脅しが脳内に焼き付いたままのリンとレンは、
ブルーな気持ちのまま校門を出ると、カイトが待っていてくれていた。
「2人とも元気ないね。どうしたんだい?」
カイトが心配そうに尋ねると、リンは臨也のことを話した。
「嗚呼、折原先生って高等部でも有名だよ。去年、生徒と問題を起こした先生だよな?」
「そうそう!何で、あんな奴が担任になれたのか分かんないよ!」
「…俺のクラスの門田先生が、折原先生や平和島先生とは高校の頃からの付き合いで、
以前から2人の悪行を止めていたらくて、自分や回りの生徒が2人に何かされたら
相談をして欲しいと、おっしゃってたから来週にでも相談しておくよ」
これで、臨也が言ったことが帳消しになると察したリンは、瞬時に笑みを浮かべる。
「え、マジ?!じゃ、お願いっ!」
「…僕からも、お願い」
「うん、分かったよ」
カイトは2人の頼みに承諾すると「そういえば」と話題を変えた。
「2人を待ってる時に、今朝話した友人からメールが返って来たんだけど、
明日の土曜なら良いって言われたんだ。リンちゃん、どうかな?」
「え?!明日?!」
まさか、そんなすぐに会えるとは思わなかったので、リンは目を丸くした。
「突然だし、無理なら別の日にして貰うように頼んでおくよ」
カイトがリンに気を使う。
「明日、大丈夫ではあるけど…リン、大人っぽい服とか持ってないから…。
明日買いにいかなきゃいけないし…」
何でもハキハキ喋るリンが、珍しく戸惑っていた。レンは、そんなリンを無言で見つめる。
「大丈夫、彼はオシャレであれば服の系統を気にしない人だから。
普段のリンちゃんなら問題ないよ」
カイトがそう言いながら、リンに微笑んだ。それを聞き、リンは表情を明るくする。
「良かったぁ。じゃ明日は勝負服を着て来なきゃ!」
張り切っているリンに、ずっと黙っていたレンが口を開いた。
「…僕も、明日一緒に行くから」
そう言うと、リンがじと目でレンを見た。
「何言ってんの?!当然でしょ!」
「はい…」
やはり、リンの圧力には敵わないレンは、頭が上がらなかった。
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