Each life

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あまりにも衝撃を受けたレンは急いで男子寮に戻り、エントランスにあるベンチに座った。
そして数分後、カイトが息を切らせながら男子寮に戻ってきた。
レンに気づくや否や、カイトは駆け寄り強く抱きしめる。
「レンくんっ!どこに行ってたんだ!探したんだぞ!」
レンは、目を見開いて赤面させた。
「ごめん・・」
カイトが自分を心配して探してくれていた。
その気持ちが、レンにとって凄く嬉しかったのだ。
だが、それと同時に深く反省をした。
「何より無事で良かった。部屋に戻ろう」
「うんっ!」
そうして、カイトと部屋に戻った。だが、公園で見たことは黙っていた。
寧ろ学園内でも、あれほど仲が悪い2人が、そんな関係のはずがない。
―でも・・同性でも・・出来るんだ―
レンの脳内に、新たな知識が埋め込まれたのだった。


月曜日。
朝のホームルームが終わり、レンは授業の前にお手洗いに行っておこうと教室から出ると、
丁度臨也に出くわした。レンの顔を見るや否や、臨也は不気味にニヤつかせる。
「"この前"、見てたよねぇ?感想は?」
やはり公園に居たのは臨也だったと再確認し、レンは目を見開く。
一気に場の雰囲気が変わり、レンは体が小刻みに震えだした。
「・・何の・・ことですか・・?」
臨也はそれを聞いて、わざとらしく笑い出した。
「あははははっ!はぐらかすのか!」
そう言ってから少し間を置き、臨也はレンに耳打ちをした。
「誰にも言わないほうが身のためだってことは言っておこうか」
「・・・・!」
「あー、そうそう。誰かに言ったら、俺はすぐ分かるからね。
隠し事は無意味だと思うといい」
「・・・・」
臨也は冷酷な目で、レンを見下ろす。
レンは恐怖のあまり硬直し、声すら出すことが出来なかった。
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