BOOK
□師匠登場
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(アンナ視点)
今、あたしの頭の中は、ローのことで
いっぱいだった
何故、あたしがローにあんな態度を、
取られなきゃならないんだろう……
自分の部屋に戻ると
リサが、剣の手入れをしていた
[騒がしかったな、客か?]
『ルイが、師匠の事を
伝えに来ただけだよ』
リサは、眉の皺が濃くなり、
手入れをしていた手が止まっていた
『………心配ないよ、説教喰らって、
すぐ帰って来るから…ね?』
少し、リサの方を向いて、首を
傾げると、小さくリサが頷く
あたしはニコッと笑って、自分の部屋を後にする
途中、行き先を訪ねる人もいたけど
散歩とだけ言っておいた
あたしが船を降りようとしたら
ローに呼び止められた
「……会いに行くのか?」
『うん』
どうやら、さっきより機嫌はよくなったみたいだ
『昨日の約束忘れてないよ?
帰ってきたら、話すよ』
「ああ、待ってる」
船を降りて、あたしはローに手を振って
小走りで街に入った