BOOK

□教えの母
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そこには、



獅子がいた




『何か用?』


平然とした顔で、聞く



〔それを、少し分けてくれぬか?〕



そう言った獅子の目線の、先には

捕った動物がある




『断る

欲しけりゃテメーで、捕りな』




睨み付けて、その場から去ろうと

地面を思いきり蹴り高くとんだ



振り替えれば、獅子がまだこっちを見ている



『…………(あれは、お師匠が言っていた
この森のボスだろう、



お師匠が、言うほど強くは見えなかったが



あんなのは、只の老いた猫にしか見えん。



………………………………………………)』



















夕陽が沈み月が出た

少し雲がかかっている






〔………………………!!!〕





獅子が座っていた目の前に、さっきよりもたくさんの、動物が落ちてきた






〔フフ、感謝する

隠れておらんと、共に食さぬか?〕







『断る、テメーと馴れ合う気はねェ』







身を隠し声だけが聞こえる


獅子はもう一度、感謝すると、囁き

食べ初めた










〔美味であった、

まだ、居るのであろう?

何故、我を助けた?〕




問いかけても、何も返ってこない。

そればかりか、気配すらない



獅子は立ち上がり、先程まで、気配がした場所を見る


そこには、スヤスヤと眠る、アンナが居た




〔………………(大した、娘ッ子だ、
気配を漏らさず眠っているとわ)〕






獅子は、側に近寄りアンナの体を

自分の尻尾で、グルグルと巻く


そして、獅子も眠りについた
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