BOOK
□お前の全て
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あまりの即答に少し拍子抜けしたロー
だが、アンナはいつものニコニコした
笑顔だ
「……お前は、何者だ?」
『う〜ん……………
元海軍で、現海賊の、元気いっぱいな
女の子☆』
ローの方を見て、キャパ(*≧∀≦*)と、右目に
手でピースを作り、当てている
「只の元海軍でも、現海賊でもねェだろ?」
アンナ は、クスッと笑い立ち上がり、月を背に、ローと向き合う
風邪が アンナ の髪を揺らす
アンナの髪が、月光に照らされ、妖艶に見えて、ローの胸がドキッと、跳ねた
『世の中にはさ、知らない方がいい事も
あるんだよ?特にあたしみたいな、得体の
知れない女はね♪』
ローの唇に軽く自分の人差し指を押し当てて
歩いていく
「なら、全て教えてくれ。そしたら、お前は
得体の知れない女じゃなくなる」
真剣顔つきでローがこちらをずっと、見つめてくる
アンナは、振り返り同じようにローを
見つめる
『きっと、聞いても損しかない…
それでも、聞きたい?』
ああ、と返事するローは、目を反らさず
まっすぐ アンナを見つめている
その目があまりにも、真剣で アンナも
目を反らせずにいた
『…………わかった、いいよ』
優しく、微笑む
その顔が、初めて本当に笑った顔に見え又、ローの胸が今度は大きく跳ねた
『明日の夜、ここで又、話そう』
アンナは、それだけ言うと船の中に
入っていった