思いと歌と浮遊城

□歌い手のボス攻略
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作戦会議が午前中に終わり、午後2時には全員が第26層「デリンガー」に到着。
「桜の町」と呼ばれるここは一年中薄桃色の花びらに彩られている。

俺たちは花びらの絨毯を踏み分け、ガンガン進んでいった。

俺たちボス担当組は体力を温存しておけと言われたので、お言葉に甘えさせてもらった。

ボスの扉の前まで来たとき、ユラが俺の手を握ってきた。
「…やっぱり…怖い…」
とてもか細い声色で、多分俺以外には聞こえなかっただろう。
「気負いすぎだよ。いつも通りやれば大丈夫。」
俺はいつもと変わらない笑顔で言った。
ユラはまだちょっと 青ざめていた。
それでも、しばらくすると瞳を閉じ、10秒ほどたってから再び瞳を開けた時、彼女の目には決意が込められていた。

今回のリーダー役を担っている<血盟騎士団>の服をきた男が、一気にドアを開け、中に入っていく。

全員が入った次の瞬間、フロア奥にボスとその取り巻きが3体現れた。
<ザ・ダークネスタートル>ボスの証である定冠詞がついている。

姿を確認してからすぐに、ボス担当の俺たちは駆け出した。


命を賭した戦いが始まった。
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