思いと歌と浮遊城

□漆黒の聖夜
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雪が降りしきるアインクラッド。
今日はクリスマス・イブだ、時間は11時。カウントダウン組のテンションが上がり始める頃合いだろうか?

そんな中に入っていたい俺たちだったが、今は…
「さぁぁみぃぃ。テントのなかだっつーのに、なんだこの寒さ。」
「あなたがここで張り込むって言ったんでしょ!?
ていうか何でここなのよ?NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター:いわゆる村人。話しかけても、同じことしかしゃべらない。)の情報では、ここの情報はなかったわよ?」
「いやいや、この木以外ありえねーって。
5本くらいNPCの情報に従ってみてきたけど、全部広葉樹だったんだ。だから逆に情報にないやつを探そうと思ったんだが、前にツグとトーマにあったとこにリポップがない場所があったなぁと思ってさ。
そいつがここだ。
4日前に下見にきたが間違いねぇ。
ぜってーここにあいつは来る。」
「あいつ?サンタクロースのこと?確か<背教者ニコラス>だっけ?」
「そいつもそうだが、本命は別だ。
多分キリトが単独で来るだろうさ。」
「単独?ボス相手に?流石にそんなことは…。」
「いや、あいつならありえる。NPCの情報の中には、ニコラスが復活アイテムを落とすっていうのがあった。
あいつはそれを取りにくる。」
「…あぁ。初めてあった時言ってたっけ。
『俺のせいで仲間が死んだ』って。」
「あぁ。まぁ俺の予想が正しければ、これまでに死んだ人には使えないだろうがな。
アバターが消滅してから、ナーブギアが脳を焼く…10秒以内ってところかねぇ。」


時刻はまもなく12時。
誰かがここに転移してきた。俺はニヤリと笑ってテントを片付けた。
黒の一張羅の男。間違いなくキリトだった。
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