思いと歌と浮遊城

□歌い手のボス攻略
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中にはいると、もう殆どの攻略組のギルド、ソロプレイヤーたちが揃っていた。

俺たちが入るとすぐに会議が始まった。どうやら俺たちはしんがりだったらしい。
「今回のボスは前の層のボスとは違って、防御力重視だ。外見は二足歩行のカメと言うのが適切だろう。
背中の甲羅はダメージが全くと言っていいほどに入らない。
さらに取り巻きのmobがかなりの攻撃力だったから、気をつけた方がいいだろうな。
幸いどっちも動きは緩慢だ。ボスの攻撃力は取り巻きのmob以下だしな。
mobをきっちり撃破しながら、長い時間をかけて倒すのがベストだろう。
偵察組の報告は以上だ。質問はあるか?」
と、ボスの行動など、可能な限りのデータをとってきてくれる「偵察組」の代表者が言った。

その後の質問で、武器はボスもmobも持っておらず、両手の爪で襲いかかってくるらしい。
話を聞く限りでは、今回俺は結構活躍出来そうな気がした。
俺の刃は鎧を貫通できるからだ。ユラに関しても、槍スキルにある<ギャンブルストライク>(当たれば必ずクリティカルだが、外せば相手の体に当たっていてもダメージが入らない技。ドラ○エで言う魔神斬り)を使っていれば、ダメージが期待できる。

作戦もカウンターを使う俺と、クリティカル技を持つ槍使いを中心にボスを囲んで攻撃。
それ以外のプレイヤーは、壁戦士(タンク:重鎧を身にまとい、防御力を上げまくって、敵の攻撃を耐える役)を中心に取り巻きのmobを狩るといった流れとなった。
「ボス担当のプレイヤーの指揮はカイトに一任する」
見知らぬプレイヤーに突然言われたが、予想はしていたので驚きはなかった。

総勢10名のプレイヤーの中心に立って話をする。
「作戦を話しておく。
とりあえずクリティカルなら、甲羅にもダメージが入るはずだ。
だから、基本は背中から攻撃してくれ。俺ともう1人、ユラが前にたって戦う。
配置の理由は、俺は攻撃されないとダメージが当てられないのと、切り払う動きをしたりするので、当たった場合危険だから。と言うのが一つ。
後は単純にスピアの刺突なら単一の場所に固まっても大丈夫と判断したからだ。

今回の攻略は俺たちが要だ。気合い入れてくぞ!」
「「「「おう!!!」」」」
俺の言葉に、皆手を挙げて答えてくれた。
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