開かずの間

□はじまりのカギ
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カトレシアカンパニー。
大手の会社の親ともいえる存在。




120年前に創立されたこの会社の権力は絶大であり、安定した経済力を誇っていた。




だれもが憧れるその会社の愛娘
ジーナ・カトレシア。




ジーナは生まれてから14年間のほとんどを、
広い屋敷で過ごした。




教育は専属の講師が屋敷をおとずれ、
行きたいところがあれば執事に言いつければ連れて行ってもらえた。




「ルシア!!急いで急いで><講義に遅れちゃう!!」





「お嬢様!まだ講義までは1時間もありますよ??」




「でも、ここの屋敷、わたしずっと住んでるのに、いまだに迷っちゃうのよ。広すぎるんだもん。早めにいかなくちゃ!」




「それはお嬢様が方向音痴なのですよ^^
たしかに、わたくしも行ったことがないところもありますが。」




「え〜〜。失礼だわルシア〜。わたしだって、この屋敷の全部を知ってるわけじゃないけど。それでも14年も住んでるんだから^^」





「はい、髪の毛できましたよ^^講義、いってらっしゃいませ。」



*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*

カトレシアの屋敷・・・・・・




といえば、世に残る建物のなかでも
歴史がある屋敷である。



この屋敷は会社が創立された前の年に建てられたものと言われており、
つまりはカトレシアカンパニー発足の地である。




初代社長、
パトリック・カトレシアは夫人とともに
この地で、会社を大きくした、と言われている。



*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*



「………というところで、今日の講義はおしまいです。お嬢様。なにか、ご質問は??」





「えぇマーサ。それは山ほど!!」




「そう言うと思いました。どのような??」





「うん。パトリック・カトレシアさんは初代社長なんですよね??」




「はい。さようでございます。」





「だけど、今現在、パトリックさんに関する情報は限られてますよね・・??なぜですか??」





「パトリック創始者についてのご質問ですか。今回の講義とは少し離れていますが……まぁいいでしょう。」




教科書を閉じ、マーサが話し始めた。




「パトリック様は、ジーナ様のひいおじいさまの義理の兄だったと聞いております。」




「義理の・・・・??」




「はい。初代カトレシア社長パトリック様には血のつながっていない弟がいらっしゃいました。それがジーナさまのひいおじいさまなのです。」




「へえ〜〜〜それは初耳です。・・・・でもマーサ、そんな重大な事実、なんで歴史書に書いていないのかしら。それに、なんであなたが知っているの??」




「わたくしがこの事実を知っているのは、たんにジーナさまのおじい様に聞いたからです。わたくしが幼いころ、いまのわたくしと同じように、母も講師をしてカトレシア家におとずれていたものですから。」





「なるほど〜。・・・それで、歴史書の件は・・・・??」





「わたくしも詳しいことは存じ上げませんが、おそらく改築の際、多くの荷の整理をしたのではないでしょうか。」





「改築??・・・・この屋敷は、できた当初のものではないということ??」






「はい。この屋敷はジーナ様が生まれた年に改築されたのですよ?
まあ、正確に申し上げますと、増築ですが。」



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