開かずの間
□幻覚
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「なに・・・これ??」
屋敷の門までは存在するものの、その先に道はない。
景色がない。
あるのは紫と黒の混ざった空と、同系色の地面だった。
よどんだ景色に時々見えるのは、おかしな影と笑い声。
もちろん、それが良いものでないことは二人とも言わずともわかっていた。
-------------キー―――ン
突然のめまいが二人を襲った。
ジーナはついふらついて座り込んだ。
ルイも壁に手をついてなんとか体調を整えようと努めた。
そのとき、ふたりの前に突然人が現れた。
「また・・・・わけがわからないやつがでた。」
人影は二人だった。
その影はゆっくりこちらに近づいてくる。
「・・・・・ルイ・・・。逃げ・・なきゃ。」
めまいと戦いながらジーナが言葉をふりしぼる。
言葉とは裏腹に、体が全く動かない。
人影はどんどんちかづいてきて、もう目の前だ。
めまいのせいか、
顔を見ることができない。
もうだめか・・・・
と思った瞬間、人影が目の前で止まった。
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