開かずの間
□新展開
1ページ/7ページ
三度目の黒い部屋訪問。
もはや二人ともこの独特の雰囲気になれつつあった。
「この部屋・・・慣れちゃったね。」
「そうだな。」
「あ、あったよ。扉から逃げる男」
ガタ
ふとルイは今入ってきた扉のほうを振り返った。
なにか物音がした気がしたが、特に異常はなさそうだ。
「たしか右下だったよね??」
ジーナは即座に、右下の名前の部分に目を向ける。
「B・・a・・u・・r・・・・a・・・n。バウラン・・??って読める。」
「しかし下手な筆記体だな。」
そして二人は、もう一度絵の全体を見た。
「なあ?この絵・・・こんなだったか??」
「え???」
ガタガタ
ルイはもう一度扉のほうに振り返る。
やはりなにか音がした。
「あれ・・・??ほんとだ。なんか扉に目がついてるし。」
ガタガタガタガタ
「おいおい・・・。もうめちゃくちゃだろ・・・」
扉の古いしみかと思っていたものが、赤い目に変わっていく。
扉がひとりでに壁から外れ、側面から腕のようなものが生える。
この時点で、ようやくジーナも振り返った。
.