開かずの間

□はじまりのカギ
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「増築・・・・・」




「はい。現在の屋敷は回りの土地を買い取り大きくしたものなのですよ」





「そうだったんですか。このお屋敷、改めて見たくなってきました。」





「そうですね。・・・・では、今日の講義はこのへんにいたしましょう。」





「うん。マーサ、今日もありがとう^^」





こうして、今日もカトレシアの歴史の講義が終わった。





ジーナはカトレシアの一人娘だ。
カトレシアカンパニーの経営は現在
ジーナの両親が行っているが、
彼らにはジーナしか子供がいなかったため、
将来はジーナが会社を継ぐことが決まっていた。





そのために、ジーナは必須科目のほかに、
カトレシアの歴史、経営学なども教わっていた。




講義を終えたジーナは
三階の講義室から四階の書斎に向かっていた。





書斎には各地より集められた珍しい本や
カトレシアの歴史本などが多く集められているのだ。




「あ、い、う、え・・・・・」






ジーナは指でなぞりながら
カテゴリを移動する。





「・・・ここからがカ行ね!」




カ行にはやはりカトレシアの文献が
多くあった。





「カトレシア人物占い図鑑??こんなのもあるのね。」





選択支によってカトレシア家のどの人のタイプかを占う図鑑らしい。
こんなものが出版されていたことが、ジーナにとっては新発見だった。
これだから、ジーナはここの書斎が好きなのだ。
長いときは半日を、この書斎で過ごしてしまう。




「これ、ひいおじいさまタイプものってるわ。
ひいおじいさまの性格は、温厚、控えめ、あまりずんずん行きたがらないタイプ・・??
・・・・ふふ^^ひいおじいさまって、あんがい奥手な方だったのね^^」





次の本は、
「カトレシアカンパニーカタログ」
というものだった。





「いろんなものがのってるわ。家具、電気器具、本、・・・・なにこれ!!犬の販売までしてるの!?
・・・・広い分野にかかわってるって授業で習ったけど・・・まさか生体販売までしてたなんて・・・・。
・・・・・・今度わんちゃん飼ってもらっちゃおうかな^^」





ジーナはすっかり別の本を見ていたのだが、
ふと目的を思い出した。






講義でならった
自分が住むこの屋敷、
この広すぎる家のことを
もう少し知りたくなったのだ。




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