SAO〜短編〜
□悪夢
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それは俺、カナメが、幼稚園の卒業を後数日まで控えた日だった。
普段は夜にしか帰って来れない両親が、
有給まで取って昼間に帰ってきて、遊びに連れ出してくれた。
父さんは周りから、『天才』と呼ばれるほど頭が良く、
優しく、気配りのできる人で、
母さんも、優しく、気付きにくいミスを見つけくれる。
父さんと良いパートナーだと、何時だったか、爺ちゃんが教えてくれた。
優しい性格という事もあり、仕事が上手くいっている事は、
子供の俺でも分かった。
だが、そのせいで夜にしか家に居れないと思うと
素直に喜ぶ事は出来なかった。
そんな、何時も忙しい2人が
俺のために休みを取ってくれた。
着いたのは、木に囲まれた野原で、
人気がなく、とても静かで、なんとなく気に入った。
特に何かをするでもなく、走り回ったり
幼稚園であった事を一方的に話たりした。
2人は、楽しそうに話す俺を見て、
自分の事みたいに喜んだり、笑ってくれた。
3人で遊ぶのはとても久しぶりだった。
だからだろうか、嫌な予感がしてならなかった。